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ロシアの仲間と喜び合い、ビクトル・アンは氷に突っ伏して歓喜に浸った。会場から割れんばかりに
注がれた歓声。気が付けば、生まれ育った韓国での名「アンヒョンス」のコールが響いていた。
金メダリストは新たな母国で祝福された。
「本当にうれしい。ロシア勢で金と銀を取れるなんて」。男子１０００メートル決勝はロシアのための
レースだった。韓国代表としてトリノ五輪で３冠を達成したアンは後方で力をため、レース終盤に
爆発的なスピードで加速した。「今が全盛期」と言わんばかり。先行する２人の間にできたわずかな
スペースを突いて一気に先頭に立って逃げ切る。続いたのが同僚グリゴリエフだった。
３位だった１５００メートルに続く表彰台。今度はロシアにショートトラック初の金メダルをもたらした。
「一番重要」と言う５０００メートルリレーも、金メダルを視界に捉える。
国籍変更は難しい決断だったと振り返る。ロシア語を一から学び、チームメートとも良好な関係を
築いているという。「自国開催の五輪は初めて。応援に本当に感謝している」。アンは充実した
表情で話した。
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