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G2vol.6掲載安田浩一氏の記事「在特会の正体」
2両編成の筑豊電鉄は起点の黒崎駅前駅(北九州市)を出ると、じきに洞海湾に面した工業地帯と並行するよ
うに走り、途中で南に大きく逸れて筑豊方面へ向かう。車窓越しに見えるのは低い山並みと住宅地からなる退
屈な風景だけだ。無人駅をいくつかやり過ごし、中間市に入ったあたりで下車すると、駅前から延びる緩くて
長い坂道の両脇に、戸建の住宅街が広がっていた。かつては炭鉱町として栄えたというが、往時の面影はすで
にない。それでも、薄れゆく採炭地としての記憶を懸命に守ろうとするかのように、唯一この町で存在を誇示
しているのが、町はずれにあるボタ山である。長年の風雨によって形をだらしなく崩し、いまや雑木に覆われ
た小高い丘陵でしかないが、古くから地元に住む人々にとっては“石炭の栄光”を振り返るべく、もっともノ
スタルジックな場所となっている。その荒れ果てたボタ山と向き合うように、県立高校の校舎が建っていた。