あずさ「惚れ薬ですか?」at NEWS4VIP
あずさ「惚れ薬ですか?」 - 暇つぶし2ch2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:10:28.94 RNC50E28P
あずさ「...」

変な夢だった。
プロデューサーさんが、私に惚れ薬を飲ませる夢。

あずさ「なんてロマンチックな夢...」

自分はまだまだ乙女でいていいってことでしょうか?

あずさ「あっ...いけない、もうこんな時間」

今日は午前中からプロデューサーさんと一緒に撮影のお仕事。

あずさ「ふふっ...プロデューサーさん、また私が道に迷ったら来てくれるかしら?」

3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:16:21.60 RNC50E28P
私が道に迷った時、プロデューサーさんはすぐに来てくれる。
それがとても嬉しい。

あずさ「迷惑かけてるのはわかってるけど、迷子になるとつい嬉しくなっちゃうのよね」

あずさ「プロデューサーさんが、来てくれるから」

あずさ「別に狙ってるわけじゃなくて...」

仕事としては迷子にならないようにしないといけないんだけど、迷子になればプロデューサーさんに会えるから直したくない...

あずさ「って、私ったら朝から何を考えて...」

あずさ「とにかく、早く出ましょう。遅刻するといけないわ」

4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:22:46.35 RNC50E28P
あずさ「あら?」

あずさ「あらあら...」

自分でも驚いている。

あずさ「まさか、事務所までまっすぐ来れるなんて...」

そう。毎朝迷子になる道なのに、今朝は迷わずに来れたのだ。

あずさ「...うんっ、いいことあるかも?」

...

あずさ「おはようございます~」

P「おはよう...あれ?あずささん?今朝はずいぶん早いですね」

5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:28:57.86 RNC50E28P
あずさ「ええ。いつも通りに出たはずなんですが...」

P「いつも通り?ってことは、いつもこんなに早く?」

あずさ「はい。私、事務所に来るまでに迷子になるんです。それで、迷子になってもいいように早く出るようになって」

P「なるほど...迷子前提で朝起きるわけですか...」

あずさ「お恥ずかしいです」

P「ん、ということは今日は迷子に?」

あずさ「ええ!ならなかったんです!」エッヘン

P(おおう、でかい胸をさらに張って...)

6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:29:13.72 +v7JxXi00
あらあらうふふ

7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:29:50.55 D3UAO1LT0
しえん

8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:34:36.97 RNC50E28P
P「すごいですね。迷子、なおるといいですね」

あずさ「やっぱり、プロデューサーさんとしてはなおってほしいんでしょうか?」

P「うーん...そうですねぇ、俺としても、探すのはなかなか疲れますよ?」

あずさ「えっ...」

ドキリとした。
私の迷子を、この人はどう思っているだろう。
私は嬉しい。あなたに会えるから。
けどもしあなたが、迷惑と思っていたら...

P「あっ!いえいえ、迷惑という意味ではなくて、仕事に影響があると困るということです。ごめんなさい。誤解させるような言い方して」

もう一度ドキリとした。
まるで、私の心を読んだような言い方。

9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:36:16.44 qcr1v71M0
みてるよ

10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:41:06.61 RNC50E28P
あずさ「そう、ですよね。仕事に影響があると困りますし...」

P「ええ。ですから、なおることは大いに賛成ですよ」

あずさ「でも、事務所までの道を覚えただけかもしれませんね?」

P「ようやく、ですか...ははは」

あずさ「まだ知らないところでは迷うかもしれませんよ?その時は、ご迷惑でなければ助けてくれますか?」

P「はい。いつでも呼んで下さいね」

プロデューサーさん、優しい人。
私の元にかけつけて、手を取ってくれて、迷いを正しく導いてくれる...

あずさ(例えて言うなら...王子様、かしら?)

つい顔が赤くなる。

11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:42:36.71 hciRkjwfO
支援は紳士のつとめ

12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:43:51.10 rJghpVU30
ホポショイ

13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:46:09.77 RNC50E28P
P「でも」

あずさ「え?」

P「本当に、迷惑ではないですからね。道に迷って、助けを求めてくるのがあずささんらしいというか...いや、これだと言い方が悪いかな。とにかく、迷ったら遠慮なく呼んでくださいね」

プロデューサーさん。
本当に。本当に、優しい人。

あずさ「はい。ありがとうございます」

P「それに...」

あずさ「それに?」

P「あずささんを迎えに行くと、不思議とその帰りに隠れたお店とか見つけちゃうんですよね」

P「なんていうか、怪我の功名?」

あら...言われてみれば確かにそうかも。

あずさ「うふふ...この間行ったカフェ、また行きましょうか?」

14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:51:25.83 RNC50E28P
P「ええ。一緒に行きましょうか。あずささん、一人だとあそこまで行けないでしょう?」

あずさ「あら...うーん、そうかもしれないですね」

この人の言葉は、私をドキドキさせてくれる。
迎えに行くとか、いつでも呼んでとか、一緒に行こうとか。
考えすぎかしら?

あずさ「...あらあら。年末の占い、一位だわ~」

あずさ「えーと...素直になれて、進むべき道がわかる...?」

(あずさ「迷いが...消える薬?」)

あら...そういえば、そんな夢を見たんだっけ。
今朝たまたま、迷わずに事務所まで来ることができた。それだけでも、とても大きな進歩だと思う。

15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 21:55:09.77 RNC50E28P
...

P「よし、あずささん。そろそろ行きましょうか」

あずさ「はい」

...

車内

P「ん?あずささん、それは...地図ですか?」

あずさ「はい。お邪魔する建物の地図を事前に見ておくんです。そうすると、建物の中で迷わないような気がして」

P「へぇー。効果はどれほど?」

あずさ「全然だめ、ですね~。むしろ頭の中でこんがらがっちゃいます」

P「あはは...じゃあ、むしろ見ない方がいいんじゃないですか?」

あずさ「うーん...見ておくといいような気はするんですけど...」

16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:01:13.41 RNC50E28P
P「まぁ、迷ったら呼んでください!かっ飛んで行きますから」

それは、私のためかしら?それとも仕事のため?

P「そろそろですね。今日は撮影とインタビューですよ」

迷わないように手をつないでてください、とか言ってしまおうか?

P「あずささん?」

あずさ「えっ、あら、ごめんなさい。ちょっとボーッとしてて...」

P「今日は撮影とインタビューですよ」

あずさ「はい。がんばります~」

17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:06:06.87 RNC50E28P
スタッフ「765プロのプロデューサーさんと、三浦あずささんですね。スタジオは3階です」

P「はい。よろしくお願いします」

スタッフ「それで、歩きながらですみませんけれども、出演に一部変更がありまして。プロデューサーさんに許可を...」

P「はい...」

スタスタ

...

スタッフ「だいたいそんな感じです。スタジオはここですね」

P「はい...ってあずささん!」

あずさ「はい?」

P「あ、あれ?」

18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:12:30.95 RNC50E28P
あずさ「どうしたんですか?プロデューサーさん」

P「え、いやぁスタッフの方と話をしながら来たから、あずささん迷子になってるかなと思って...」

あずさ「あら...言われてみれば、今まではこの距離でも迷子になってたのに...」

P「今日は調子が良さそうですね」

あずさ「うふふ。この調子で収録もがんばってきます」

P「はい。これが終わったらインタビューですから、迎えに来ますね!」

...

収録オツカレッシター

P「あれ...?あずささんは?」

スタッフ「三浦あずささんですか?さっき出て行きましたよ?」

19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:19:05.85 RNC50E28P
P「いつも通り、俺を待たずに出て行ったか...こりゃ迷子になってるな...」

P「あずささーん!どこですかー!」

...

P「うーん...探してるけどいないな...インタビュー始まるまでそんなに時間がなくなってきたぞ...」

P「仕方ない。インタビューは少し遅れると伝えに行こう」

インタビュー収録スタジオ

ガチャ
P「すみません!あの...」

あずさ「あら?」

P「あれ?」

20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:23:50.50 RNC50E28P
P「あずささん?まさかさっきの収録スタジオから直接?」

あずさ「あ、はい~」

P「迎えに行くって言ったじゃないですか...」

あずさ「あっ!ああ、ごめんなさい」

P「いえいえ。間に合ったならいいんですよ...」

P(しかし、さっきのスタジオから結構離れてるのに...よく来れたな...?まさか方向音痴、なおってる?)

スタッフ「じゃあ、インタビュー始めましょうか」

あずさ「はい。よろしくお願いします~」

21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:26:45.34 RNC50E28P
...

オツカレッシター

あずさ「みなさんお疲れ様です~」

P「さて、あずささん。帰りましょうか」

あずさ「はい~」

P「で、あずささん。駐車場まで行けますか?」

あずさ「あら?うーん...こっちでしょうか?」

P「ちょっと、駐車場まで歩いてみてください。ついていきますから」

あずさ「やってみますね!」

...

P「ついた...」

あずさ「あらあら~今日は本当に調子がいいわ~」

22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:30:39.39 ZEpsiMwF0
あかん、方向音痴なおったあずささんとか欠点ないやんけ

23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:33:20.33 RNC50E28P
P「ちょっ...とすみません」

ピト

あずさ「!?」

あずさ「あ、あの...プロデューサーさん?おでこに手を当てて...どうしたんですか?///」

P「いや...熱でもあるのかなぁって思って...」

あずさ「もう!プロデューサーさん。私が道を間違えないことがそんなに珍しいですか?」

P「これ程までに正確だと...逆に心配になりますよ」

あずさ「うふふ。そういう日もあるってことかしら?」

24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:37:27.69 RNC50E28P
次の日

あずさ「あらあらあら~?」

P「あずささん...」

小鳥「計測タイム、24分。このタイムはつまり...」

律子「道に迷わずに、スーパーまで行って帰ってきたというの...!?」

P「あずささん!なおったんですよ!方向音痴が!」

あずさ「あ、あらあら~?そうなのかしら?」

小鳥「下のコンビニにも行けなかったあずささんが...!」ウルウル

P「よし、じゃあ午後の現場にも歩いて行きましょう!ついていきますから!」

25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:42:35.80 RNC50E28P
...

律子「それで、どうなんです?あずささん」

P「ああ。ここ一週間見ていたが、完璧だ。なおったんだよ。方向音痴が」

律子「ふぅ...一安心、ってとこですか?」

P「うーん...まぁ、ひょろひょろ変なところに行かなくなったので嬉しいですかな?」

律子「今後の近場の仕事なら、一人で大丈夫でしょうか?」

P「この調子なら大丈夫だ」

律子「そうですか。なら今後は、できるだけ一人で行けるようにしてもらいましょうか」

P「そうですねぇ...」

26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:46:43.34 rJghpVU30
あずささん一番好きなんだけど如何せん他のキャラに比べて薄い希ガス
胸は厚いけど

27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:49:15.16 RNC50E28P
カフェ アズーサ

あずさ「あらあら~。方向音痴、本当になおったのかも...」

あれからずっと、迷わずに事務所まで来れるようになっている。
お気に入りのカフェにだって迷わない。
もちろん、仕事の時に迷わないことが何より嬉しい。

あずさ「でも、今日も一人、か...」

いつもなら、助けに来たプロデューサーさんと飲むお茶。
迷ったを半分口実にして、プロデューサーさんとお茶を飲むことが楽しみだった。

あずさ「うーん、素直に一緒に行きましょう?って誘えばいいのに...」

あずさ「なかなか、恥ずかしくて...」

自分が迷った時、走って助けに来てくれる。あの感覚が、好きだったのに。

28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:51:47.52 MG/46qnU0
>>26
あらあら~

29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:54:58.70 RNC50E28P
あずさ「方向音痴、なおってよかったのかしら...?」

つい、そう思ってしまう。

...

あずさ「ただいま戻りました」

P「喫茶店から迷わずに来れましたか?」

あずさ「はい~」

律子「すごいじゃないですか!すっかりなおったんですね?」

あずさ「そういうこと、なんでしょうか?」

P「これであずささんの送迎が楽になる...」

律子「こちらとしては、ものすごくありがたい...」

30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:55:57.61 ZEpsiMwF0
>>26
わかる
俺もあずささん一番好き

31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:59:39.05 MG/46qnU0
あずささん可愛い

32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 22:59:45.61 RNC50E28P
数日後。

律子「あずささん!竜宮はスタジオ5です!一人で行けますか?」

あずさ「はい。多分大丈夫です」

...

P「ごめんなさいあずささん...ここまで、一人でお願いできますか?」

あずさ「わかりました~」

...

あずさ「...最近、送り迎えが少なくなってるような気がするわ...」

あずさ「一人で行けるようになって...任されているということかしら...」

あずさ「はぁ...プロデューサーさんに送ってもらいたいなぁ」

33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:00:46.82 MG/46qnU0
あずささんは一歩ひいてしまうからなぁ

34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:06:25.55 RNC50E28P
亜美「えっ?兄ちゃんの送り迎え?」

あずさ「ええ。どのくらいあるのかなーって思って」

亜美「そうだなぁ...遠いところならもちろん送ってくれるけど、近場なら歩いて行ってくれーとか、タクシー呼ぶぞーとかあるよ」

あずさ「あら、そうだったの」

亜美「そうだよー。あずさお姉ちゃんは迷子を掲げて毎日兄ちゃんに送り迎え...羨ましいことですなぁ」

あずさ「少し前までは、そうだったわ~」

亜美「...ああ、そっか。最近、方向音痴なおったって言ってたもんね?」

亜美「まぁ、亜美の兄ちゃん送り迎えはそんな感じだよ!」

35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:12:56.53 RNC50E28P
あずさ「なぁんだ。私だけじゃなかったのね。みんな、一人で行ったり、タクシー使ったりして」

あずさ「私、少し贅沢だったかしら...」

でも、プロデューサーさんに送り迎えしてほしい。楽をしたいわけではない。

迷子になって、プロデューサーさんと歩いて、知らないカフェでも発見して。
そんな毎日の休憩が、すごく楽しかった。

前々から方向音痴をなおさなきゃとは思っていたけど、いざなおると少し寂しい。

あずさ「あの、プロデューサーさん」

P「なんですか?」

あずさ「午後の撮影...送って行ってもらえませんか?」

36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:18:38.44 ZEpsiMwF0


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:18:45.78 RNC50E28P
P「ああ、すみません。別の仕事入ってて...近場だから、一人で行ってもらおうと思ってたんですけど」

あずさ「あ...あら、そういうこと、ですか」

P「?...あずささん?何か?」

あずさ「あっ、いえいえ~大丈夫です~」

その日の午後も、迷うことなく現場についた。
でも、カメラマンさんに笑顔が少し硬いと怒られちゃった。

...

帰り道。

あずさ「...わざと、迷ったって言えば...プロデューサーさん...」

あずさ「...いけない。そういうこと、しちゃダメ...」

38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:25:02.61 RNC50E28P
ピッピッ

P『もしもし?あずささん?どうかしましたか?』

あずさ「あっ...えーっと...」

P『もしかして、道に迷いました?』

あずさ「...」

P『あずささん?』

あずさ「...いえ、迷ってはいません」

あずさ「...ただ、少しだけお茶しませんか?」

P『今から、ですか?』

あずさ「...ご迷惑でなければ」

P『......ごめんなさい。この後、用事が...』

39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:28:19.28 YHk5kG6a0
みてるお

40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:29:34.79 RNC50E28P
ピッ

あずさ「そう...よね。プロデューサーさんだって忙しいし...」

あずさ「私だけのプロデューサーさんじゃないんだから」

私だけのプロデューサーさんだったら、どんなに嬉しいことか。
毎日仕事に一緒に行って、一緒にお茶して、一緒に帰って...
って、最後のは結婚してからかな...

あずさ「あら...いけない。私ったら、また何を考えて...」

今となっては、道が分かることが憎い。

あずさ「...少しだけ、嘘、ついちゃおうかな...」

41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:33:56.69 RNC50E28P
次の日

あずさ「すみませんプロデューサーさん。久しぶりに道に迷っちゃったみたいで...」

P『ええっ!本当に久しぶりですね...わかりました。今どこです?』

あずさ「はい~。えーと、近くにカフェアズーサがあります~」

P『.........わかりました。今すぐ行きますので、動かずに待っててください』

嘘をついてしまった。
気分としてはロミオとジュリエットだったのだが、電話を切ってから罪悪感が襲ってきた。

あずさ「ちょっとだけ。ちょっとだけ、許して...」

彼とカフェでのんびりしたい。
少しだけ嘘をついて、少しだけいい時間を過ごしたかった。

42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:38:18.28 JCm1lgWQ0
読みごたえがあって面白い

43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:38:29.79 RNC50E28P
...

P「いやぁ、あずささん、方向音痴なおったと思ってたんですけどねぇ」

あずさ「うーん...急にわかんなくなっちゃって...困りました」

P「そういえば...今日の撮影は...」

あずさ「ええ。監督さんが...」

...

P「さぁ。帰りましょうかあずささん」

あずさ「はい。すみませんプロデューサーさん。迎えに来てお茶までご一緒してもらって」

P「...いえ、いいんですよ」

...

あずさ「ただいま戻りました~」

P「ただいま」

44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:41:51.38 JCm1lgWQ0
これ、Pは気づいてるんじゃないかな
迷ったのは嘘ってこと

45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:44:43.25 3iIHWxfc0
ssスレで予想は厳禁だとあれほど

46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:45:14.37 RNC50E28P
後日

...

あずさ「うふふ...もう一度くらい、お茶に誘ってもいいかしら...」

あずさ「あ、プロデューサーさん?えーと...」

...

P「お茶ですか?」

あずさ「ええ。すぐそこに喫茶店が...」

P「すみません。今日はダメです」

あずさ「えっ...」

P「すみません。帰りましょう。あずささん」

あずさ「は...はい...」

...

47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:49:51.42 RNC50E28P
なぜだろう。今のプロデューサーさん、少し怖かった。

自分を叱るような、そんな声をしていた。
考えすぎなのかもしれない。

また迷ったと嘘をついて、たまたま断られた。きっと、ただそれだけのはず...

あずさ「...」

事務所の前に着いた。

P「...やっぱり、あずささん。迷ってないじゃないですか」

あずさ「...えっ?」

心臓が止まるかと思った。

P「ほら、俺はずっとあずささんの後ろを歩いてきたんですよ。気付きませんでしたか?」

あずさ「あ...」

考え事をしていて、全く気がつかなかった。

P「いえ。これでどうというわけではありません。さぁ、あずささん」

私は、事務所に入るプロデューサーさんの背中を見つめるしかできなかった。

48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:54:38.32 3iIHWxfc0
しえ

49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:56:00.02 RNC50E28P
...

あれから、嘘はついてない。
プロデューサーさんに見破られただろうか。面倒な女だと思われてないだろうか。
それが怖くて、プロデューサーさんにろくに話しかけてない。
ましてや、お茶の誘いなどできるはずがない。

あずさ「...はぁ」

真美「どったの?調子悪そうだよ?」

あずさ「あら...?あ、ううん。なんでもないのよ?」

真美「そっかなー?ま、無理しちゃダメだよ!」

あずさ「ええ。ありがとう真美ちゃん」

少し雑誌でも読もうと立ち上がると、プロデューサーさんと目があってしまった。

P「...」

あずさ「...」

50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:56:39.18 Sv4SAdTa0
良いSS書きますねぇ!

51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/05 23:58:32.71 UmRPbKQCO
支援

52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:01:45.62 AnzWj2ZoP
目を、そらしてしまった。

...

あずさ「...」

あれから、元気が出ない。仕事も少しだけ、スランプかもしれない。

あずさ(でも、どうしたらいいのかしら...)

P「あずささん」

あずさ「っ、はっ、はい」

P「...少し、屋上に行きませんか?」

あずさ「はい...」

何の用だろうか。何を言われるんだろうか。
きっと決まってる。仕事のこと。

...

P「ずいぶん、寒くなりましたね」

あずさ「...はい」

P「あの、この前のことなんですけど」

53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:07:33.11 AnzWj2ZoP
あずさ「!」

この前のこと。この前のことだ。もう、プロデューサーさんに言われる前に謝ろう。

あずさ「あ、あの...プロデューサーさん。この間は、本当にごめんなさい...」

P「え?あ、いや、その事じゃなくて...」

あずさ「え?」

その事じゃない?

P「その、最近あずささん、元気ないみたいで。俺のせいもあると思って、謝ろうと思いまして」

どうして?どうしてあなたが謝るの?
自分勝手で悪いのは全部、私なのに。

54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:12:01.83 JCyDu5YWP
P「なんていうか、あずささん。最近迷っていませんか?」

あずさ「最近...?」

P「道に、という意味ではなく、自分に、です」

あずさ「...」

P「俺、言ったじゃあありませんか。迷ったら、呼んでくれって」

あずさ「!」

P「何かに迷ったら、遠慮なく呼んでくださいよ。プロデューサーなんですから」

P「最近のあずささんは、道に迷わなくなりましたよね。あれで、必然的に会う時間、話す時間ってのが少なくなって...」

そうだ。
そのせいで、私はつまらない嘘を。

55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:16:23.72 v9ysuoEDO
Pイケメン

56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:17:28.21 JCyDu5YWP
P「...だから、俺、寂しかったんです」

あずさ「...え?」

P「楽しかったんです。あずささんを迎えに行って、お茶することが」

P「...ほら、少し前に前に俺をお茶に誘いましたよね?」

P「あれ、実は迷子にはなってなかったんじゃないですか?」

あずさ「...」コクン

P「あの時、よく考えてみれば、やっぱりあずささんもちょっぴり休憩がしたかったんじゃないかって...」

57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:21:34.76 JCyDu5YWP
P「でも最近は仕事も多くて...」

あずさ「やっぱり、プロデューサーさん。優しい人ですね」

P「...」

あずさ「そうです。私、嘘つきました。ごめんなさい」

正直に謝ると同時に、涙が出てきた。

あずさ「私、プロデューサーさんとお茶、一緒にいたくて...嘘を...」

あずさ「プロデューサーさんの言うとおりなんです。最近、方向音痴がなおって、前みたいにプロデューサーさんと会える時間が減って...」

あずさ「だから、嘘をついてでも来て欲しかったんです」

58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:26:45.11 JCyDu5YWP
P「...でもほら、竜宮のみんなとか、律子とかいますし...」

違う。
気付いて。
もどかしくて、つい。

あずさ「プロデューサーさんじゃないと!」

あずさ「あなたが、いいんです」

言ってしまった。

P「...」

あずさ「...」

急に耳が熱くなった。

あずさ「ご、ごめんなさい。私ったら何を...」

59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:32:09.91 JCyDu5YWP
あずさ「ごめんなさいプロデューサーさん。私...」

P「...ごめんなさい。あずささん」

どうして謝るの?
あなたはなにも悪くない...

P「...俺も、全く同じ気持ちだったんです」

あずさ「...え?」

P「でも、あの日まで自分がそういう気持ちだって自分で気がついてなくて...」

あずさ「あ、あの...どういう...」

P「だから、俺も、あずささんと一緒にいたいってことです」

60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:32:28.48 Miu/7d8G0
ずるい

61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:36:11.24 JCyDu5YWP
嘘。
プロデューサーさん、気を使って嘘を言っちゃダメですよ。

あずさ「え...あ...」

P「あずささん。今はハッキリと言うことはできませんけど...」

そう言うと、彼はそっと私の手を取って。

P「もし貴女がこれから何かで迷った時、俺を呼んでもらえますか?」

あずさ「ぁ...」

声が全く出ない。
顔も耳も凄まじく熱い。

62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:41:41.66 JCyDu5YWP
P「さ、さぁ、戻りましょうか...」

彼の手が私の手から離れようとする時、私は手を握り返した。
そして、力強く。

あずさ「プロデューサーさん。私は...私は、あなたが好きです。好きなんです」

P「...はい」

あずさ「お、お返事は...」

P「今は、お返事できません」

あずさ「...むぅ、まだ迷ってるんですか?」

P「うーん...あずささんも、まだアイドルですし...」

63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:47:15.31 JCyDu5YWP
もちろん、私もお返事は待ちますよ?
今はまだ、アイドルとプロデューサーだから。

あずさ「...でも、プロデューサーさん」

P「はい?」

あずさ「次言う時は、迷わせませんよ?」

そう言って腕に抱きつくと、彼は少しだけ微笑んで。

P「ええ。迷う気もありませんよ」

私に言った。



三浦あずさの場合。おわり

64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:49:23.44 qeYc4TMHO
支援

65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:49:43.88 GRRShUWV0
おつー
あずささん可愛い

66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:49:47.36 JCyDu5YWP
貴音「ふむ、惚れ薬...ですか」

貴音「存じております。わたくしの古都にも伝説の秘薬として伝えられて...」

貴音「え?これが、惚れ薬?」

貴音「まさか。秘薬がこのような所に...」

貴音「そんな子供だまし...」

貴音「しかし...」


...

貴音「あなた様、お茶です」

67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:53:50.90 JCyDu5YWP
P「おお貴音か。お前がお茶とは珍しい」

貴音「これはわたくしの都より送られてきたお茶ですので、是非あなた様にと」

P「なるほど...ふむ、ゴーヤ茶みたいな味だな...」

貴音(響のゴーヤ茶、持ってきて正解でした...)

P「うん。おいしかったよ。ありがとう」

貴音「いえ。あなた様の活力になればと思い」

貴音(飲ませてしまった...いえ、わたくしはあのような子供だましを信じているわけではなく...)

68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:56:10.81 zlwoqru7O
これって前春香千早とかでやってたやつの続きか!
待ってたよー寝るけど!

69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 00:58:19.96 JCyDu5YWP
五分後

P「...」カタカタ

貴音(...)ソワソワ

貴音(本当に、聞いているのでしょうか...)ソワソワ

響「はいさ...おはようだぞー!」

P「おう響。おはよう」

貴音「響。少しこちらへ」

響「貴音もはいさい!」

...

貴音「響、惚れ薬を知っていますか?」

響「惚れ、薬?ああ...あの本とかでよく見るやつか?」

貴音「はい。飲ませた殿方は「めろめろ」になるという例の...」

70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 01:00:06.10 zlwoqru7O
春香千早のときより一人一人にボリュームあるな

71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
14/01/06 01:02:28.51 JCyDu5YWP
響「あんなの、あるわけないさー。空想上のモノだよね!」

貴音「確かに。簡単に人の心を動かすもの...到底あるとは思えません」

響「それがどうしたんだ?」

貴音「もし」

響「ん?」

貴音「もし、あるとしたら...響ならどのように使いますか?」


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