12/06/03 22:38:55.81 +LK4hQ+c0
トミノの地獄 姉は血を吐く、妹は火吐く、可愛いトミノは宝玉(たま)を吐く。
ひとり地獄に落ちゆくトミノ、地獄くらやみ花も無き。�� 鞭で叩くはトミノの姉か、鞭の朱総(しゅぶさ)が気にかかる。�� 叩けや叩けやれ叩かずとても、無間地獄はひとつみち。��
暗い地獄へ案内をたのむ、金の羊に、鶯に。�� 皮の嚢(ふくろ)にゃいくらほど入れよ、無間地獄の旅支度。�� 春が来て候(そろ)林に谿(たに)に、くらい地獄谷七曲り。��
籠にや鶯、車にゃ羊、可愛いトミノの眼にや涙。�� 啼けよ、鶯、林の雨に妹恋しと声かぎり。�� 啼けば反響(こだま)が地獄にひびき、狐牡丹の花がさく。��
地獄七山七谿めぐる、可愛いトミノのひとり旅。�� 地獄ござらばもて来てたもれ、針の御山の留針(とめばり)を。�� 赤い留針だてにはささぬ、可愛いトミノのめじるしに。
ラスト