12/05/31 20:45:29.02 Lu64Pbj20
>>134
小説版的に、さやかが死んで2日後なら仁美はもはや友達とカウントされてないと思うから大丈夫
1
151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 20:48:19.84 cIwgdYvr0
2
152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 20:50:41.62 kP7st8Ol0
どっちも明るい未来が見えねえwww
1
153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 20:54:25.65 cIwgdYvr0
ほむ
154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 20:55:33.94 FoQmfv3PO
虚淵×虚淵=破壊力
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 20:58:29.37 +zRQZuDy0
ダブルウロブチとか何が始まるんです?
156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:01:57.35 iYmbzAFtO
えー、そこで分岐かよ
後でもう一方も書いてくんねえかな
連れてくほうを見たかった
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:02:37.47 21UPjTmdP
「……ごめんなさい、まどか」
私は彼女を優しく抱き寄せると、盾からスタンガンを取り出しす。
音のない空間に強い破裂音がしたかと思うと、まどかはそのまま気を失った。
「まあ妥当な判断だね」
「跡になってしまったらごめんなさいね、でも貴方にこれ以上ひどい傷を負わせる訳にはいかないから……」
気絶しているまどかの体を抱き上げると、階段の踊場まで戻り、彼女を座らせた。
「インキュベーター、貴方に頼みがあるわ」
「なんだい?」
私の肩から降りると、インキュベーターはまどかの顔をまじまじと覗きこんだ。
「しばらく起きる気配はないね」
「ええ、だから彼女が起きるまでここで様子を見ていて欲しい……
あと、万が一彼女の身に危険が及ぶようならこれを」
私はまどかのスクールバッグの中に自動小銃を忍ばせた。
インキュベーターは怪訝そうに私の顔をのぞき込んだ。
「君が居ない間に僕がまどかに契約を迫らないとも限らないのに、いいのかい?」
わざとらしく問いかけるインキュベーターを、私は髪をかきあげ一蹴した。
「えぇ、協力関係である以上、そういうことはしないと信じているわ」
「それをちらつかせられては困ったね。分かった。彼女の様子を見ていよう」
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:08:09.55 EXbs+DOT0
ho
159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:09:49.31 cIwgdYvr0
きゅっぷいきゅっぷい
160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:11:16.26 3Rf1hA4PO
さやの歌といえば、矢作さんの感想が楽しみ
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:17:21.83 sOyHkot50
沙耶の唄は設定だけ見てて怖くてプレイしてねえんだよなぁ
追いつき支援
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:18:01.65 21UPjTmdP
扉の前に戻ると、私は思い出したように盾の中からボンベと魔法瓶を取り出した。
これから戦うに当たり、杏子が既に消耗していた場合ほぼ一人で沙耶と戦わなくてはならない。
その場合、このかなりの重量があり嵩張る窒素ボンベではかなり不利な戦いを強いられる。
「確か病院では消毒の時に魔法瓶に入った液体窒素を使っていたはずだから大丈夫よね」
二つの魔法瓶に小分けにすると、私は再び立てに収納し魔女空間へと潜入した。
相変わらず下水管を通っているようなベタついた空気ではあるが、今度は私の足に杏子の命がかかっている。
ここまできて足元の肉片を気にするのは野暮だ。構わず踏みつけながら中へ中へと進んでゆく。
コンサートホールの入り口までやってきた。私はゆっくりと扉を開く。
昨夜と同じように扉と床の隙間に巻き込まれた肉片が赤黒い跡を残す。どうやらあの後ここにあった「何か」は元通りになったようだ。
(恐ろしいまでの回復力だわ……)
ホールをくまなく見渡すが、杏子の姿は見えない。さやかの魔女もおとなしくしており、触手は露出していない。
……まさか。そんな事って。
(ホ蟲騾カ?)
163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:26:38.31 FoQmfv3PO
あんあん…?
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:27:12.26 cIwgdYvr0
ふみふみほむほむ
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:27:56.97 21UPjTmdP
聞き覚えのある唸り声が聞こえる。怪物特有の、あの湿った言葉が。
だが、私の耳に聞こえるわけではない。つまりこれの意味するところは。
(聞コえル插、ホ蟲騾)
……やはりそうなのか。
(杏子……杏子なのね)
答えを聞きたい。だがこの憶測が事実であることは同時に私にとって恐怖でもあった。
(盂ン)
多分これは肯定だ。杏子、貴方もそんな姿になってしまったというの……?
頬から血の気が引いて行く。方々で怪物が地面を這いずりまわっている。この中の一人が、杏子という事実。
「あぁ……なんてこと」
私はその場に崩れ落ちた。
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:27:58.88 sOyHkot50
URLリンク(uproda.2ch-library.com)
167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:29:04.63 FoQmfv3PO
意志疎通できるなら道はある
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:32:28.39 e7DHU6BZ0
あんこもよくほむらの言ってること分かるな
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:32:28.48 cIwgdYvr0
あんあん……
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:34:36.13 AcGrMrYk0
一応原作もなんとなくは聞き取れるからね
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:38:33.42 cIwgdYvr0
ほむ
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:39:02.76 TgUoN+fwP
けっこう読ませるなぁとか思うんだけど
頻繁に差し挟まれる誤字はなんとかならんかww
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:40:41.61 FoQmfv3PO
もうディスプレイが肉塊にしか見えないから仕方ないんだよきっと
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:41:16.59 FBAqhRkA0
ザjdyヤ゙$.%*]ン!!
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:42:55.23 21UPjTmdP
想定はしていたが、それが現実となって目の前に突きつけられ、私は愕然とした。
私は、この邪悪な存在と、たった一人で戦わなくてはいけないという事実がたまらなく怖くなった。
足がガクガクと震え、頭がクラクラと揺れた。そんな馬鹿な話があって良いのか。
その時、再びあのテレパシーが頭の中で木霊した。
(落チ着罫、ホ蟲騾)
……落ち着け。私にはそう聞き取れた。
(嚮ス縷シカ那華ッたん橢。
幸イ、テ禮パ弑ナラ、少シ慧聞キ酉ヤ簾イみ弖エ橢)
(ええ……注意深く聞けば、聞き取れるわ)
(ア夛シモ龕張禮バお眞エノ言發ガ慧カ縷ヨ)
だが、私があの怪物のような姿になった時とは違い、どの怪物も人間とはかけ離れた姿をしている。
(貴方は何処に居るの?)
(壹リ口ト反體臥ワにい縷。
時關経っチ眞っ夛聲デス臥夛モ大賦変わっ夛ッ弖、沙耶臥壹ッて夛)
(時間が……って、姿が……ダイ……変わった?)
時間経過とともに体があの怪物に侵食されていく、ということだろうか。
そうなると早めに杏子を救い出さねばならない。
私は壁沿いに立ち上がると、盾から魔法瓶を取り出した。
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:43:38.31 Lu64Pbj20
題材が題材だけに誤字も演出として捉えるのが吉
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:46:52.55 vpTJb0pa0
原作的にアレとの接触で正気度が減少してるんだろう
178: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】
12/05/31 21:52:08.63 +8JeNG4B0
ほ
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:56:05.49 cIwgdYvr0
む
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:57:53.62 e7DHU6BZ0
やっぱり沙耶の唄が混じると湿っぽくなるな(物理的に)
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 21:58:47.25 21UPjTmdP
(い壹カヨ矩葵キ勲だ、ホ蟲騾。ア夛シに慧沙耶を見倭ケ縷コト臥デ葵縷。
ダ殻ア夛シ倭ワざ砥丸腰デ撰ニュ宇シテ鼓ノ簾臥タ煎ナッ夛ん橢)
(……わざと敵に取り入ったということね?)
(夛分痾ッ弖る)
杏子の言葉を聞くには全神経をテレパシーに集中させる必要がある。
奏している間にも一部の怪物は私に警戒し始め、逃げるように私から遠ざかってゆく。
(時關がナ壹。ア夛シは凝レ插騾沙耶ニ近ヅ居幣取リ淤さ繪縷。
淤前ニ倭時間稼魏を夛の蟲。沙耶の葵を脾ケ)
(沙耶の気を引けばいいのね)
(痾ア。幸イに裳奴倭テ禮パ駟イに気付壹弖イ那壹)
私は一旦魔法瓶を盾にしまうと、中からアサルトライフルを取り出した。
そしてさやかの魔女を向き直ると深く腰を落とし身構える。
(さや插ニ倭悪壹ガ魔女を狙繪)
(わかってるわよ。私からじゃ貴方達は見分けがつかないもの)
(よ駟、頼ン橢)
私は跳躍すると魔女の肉壁めがけて乱射をはじめる。
効き目がないのは最初からわかっている。だが、明らかな陽動と分からない用、できる限り有効な手立てを選び攻撃を行う。
(杏子……頼んだわよ)
182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:02:22.63 21UPjTmdP
ちょっと中断 すぐ戻る
杏子が沙耶を取り押さえ、ほむらに分かるようにして沙耶を殲滅する作戦
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:04:25.87 sOyHkot50
りょ蟲かガ[しヱ
184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:05:53.94 NLR7fgGq0
しヱ難
185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:10:11.39 gw9VLp020
コ埜鞍イナ螺嘛懦蛔獨デ竒縷梛
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:12:55.46 +zRQZuDy0
やだここグロ肉く叉諱
187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:16:19.82 7MyDmem90
穂
188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:16:50.68 cIwgdYvr0
鵡
189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:17:24.51 NBxe/XaT0
/ || :ヽ
┌|(⌒ヽ :|| ..:⌒: |┐ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|::|::ヽ.__:):||(___ノ ::|::| │
|:|: .. :|| .. |:| │
:|: .. || ..|| < 日本語でおk
:\ [_ ̄] /::| │
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190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:18:09.28 JwQ1kLg70
愚ロ肉捥ぐも虞
191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:18:16.33 XuvHiZsAO
喩
192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:22:07.92 cIwgdYvr0
抛鵡抛鵡
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:22:47.55 21UPjTmdP
―目覚めると、夕日の差しこむ階段に座っていた。
私が追いかけていたはずのほむらちゃんはいつの間にか立ち去ってしまったのか、姿はない。
ビルには相変わらず微かに鼻を刺激する腐敗臭が漂っている。
「もう目覚めたのかい、鹿目まどか」
「キュウベェ……」
踊り場から数えて3段目にキュウべぇが座ってしっぽをせわしなく動かしながらこちらの様子を伺っていた。
私は立ち上がると当たりを見回した。首筋に攣ったような痛みが走る。
携帯電話の時計を確認する。……このビルに入ってからまだ30分も経っていない。
「驚いたよ、まさかこんなにも早く目が覚めるとはね。
暁美ほむらの予定よりもかなり早いんじゃないかな」
「ほむらちゃんはどうしたの?」
「魔女と戦ってるよ。どうやら杏子と一緒らしい」
私はカバンを手に取ると階段を駆け上がった。
「何処に行くんだいまどか!そっちは危険だ!」
「だめだよ、ほむらちゃんが、杏子ちゃんが、それに……さやかちゃんを助けなきゃ!」
194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:23:40.43 sOyHkot50
きた
195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:24:43.06 FoQmfv3PO
完全にバッドエンドの流れ
196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:25:27.89 cIwgdYvr0
舛弩舛弩
197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:28:37.54 sOyHkot50
き欝こ詠遣こ
198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:31:03.46 vpTJb0pa0
杏個茶ン暗庵
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:32:40.46 FoQmfv3PO
このスレのSAN値が急下降中な件二椎手
200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:33:37.53 kP7st8Ol0
せめて契約した方がいくらかマシな最期だった
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:36:25.62 21UPjTmdP
あの扉の前に立った。この扉の向こうで今も、ほむらちゃんと杏子ちゃんは戦っている。
さやかちゃんもきっとこの奥で待っていてくれているはずだ。きっと私にもできることがある……!
「やめておいたほうがいい、まどか。この先に言っても君にとって何の利益もない。
むしろ君は極端につらい現実と向きあわなくてはいけないことになる。
それに何も身を守る術が無いじゃないか。今ほむらや杏子を頼るのはどう考えても酷だ」
「わ、私だってちゃんと持ってきてるよ……パパには内緒で持ってきたんだ……」
私はスクールバッグを開くと中を除く。パパはママの護身のためと言って買ってきたが結局ママは持ち歩いてくれなかった特殊警棒。
だが、そこにあったのは父親の部屋から無断で持ちだした特殊警棒ではなかった。
「な、なにこれ……拳銃?」
「ほむらの置き土産だよ」
キュウベエはやれやれといった感じで拳銃に戸惑う私を見上げていた。
「中に銃弾は7発入ってる。どうせ君は止めても行くだろうし、僕も一緒に行くよ。
でも中にはいったら絶対に僕やほむらの言うことを聞くんだ。この中の危険行動は君一人の安全の問題だけでは済まない」
私は力強く頷くと扉を開けた。
202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:38:25.31 cIwgdYvr0
鉄浦う舛弩ま呶
203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:39:17.99 e7DHU6BZ0
痲ど峨鵞危梁イ
204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:40:20.66 TDLx8fX60
なんで入ってしまうんだ…あほまどか…
205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:41:29.15 sOyHkot50
ど膿て藻場處燕ド
206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:41:38.49 RhXeZQry0
何このスレなんか怖い
207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:42:43.06 Lu64Pbj20
ほむらはたしかDE使ってたけど(腕力強化して)
それじゃないにしてもまどかみたいなのが拳銃なんか扱えないだろ
208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:46:40.77 RhXeZQry0
大丈夫だよきっと
209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:48:45.75 wvAM7gmX0
這い手ハ打目
210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:49:07.00 21UPjTmdP
中に入ると、この世のものとは思えないような光景が広がっていた。
壁という壁に張り巡らされた血管と神経束、床に広がる肉塊と天井からだらしなく下がった管のような何か。
「な、なにこれ……」
「これがさやかの魔女結界の成れの果てさ。足元に注意して」
赤黒く変色していない床を選びながら一歩一歩、及び腰で歩みをすすめる。
鼻が腐り落ちるほどの臭いが肌にべたべたとまとわりつく。ハンカチを取り出すと口元を抑える。
今すぐにでもここから逃げ出してしまいたくなるが、私にはそれは許されないと思う。
「ほむらちゃんは……この中で戦っているの?」
キュウべぇはこの臭気の中だというのに表情ひとつ変えずにまっすぐに通路の奥を見つめていた。
「そうさ。ほむらはもうこの中で3回も戦っている。杏子はこれが4回目になるね。
この強烈な臭いの中でたった一人でほむらを救出してきた杏子はさすがとしか言いようが無い」
「そ、そっか……」
「まどか、口元は抑えないほうがいい。銃を使い慣れていない君は恐らく片手で銃は撃てないと思うよ」
「わかったよキュウべえ」
私は口からハンカチを外すとポケットの中に戻した。
今にも肺の中を侵食され、体の中から腐り落ちそうだ。
211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:50:55.70 cIwgdYvr0
摩呶麻ど
212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:52:04.89 CTUQeJk60
>207
両手でしっかりとホールドして撃ったのに反動で動いた銃が顔にぶつかる
というシーンを幻視した
213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:54:57.65 o9ppF97U0
期待してなかったけど、ここ数レス読んだ感じだと面白そうだ
今から読む
214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 22:59:05.95 PjZQmqcnO
尼墹身デ蝴れ耙嵜ツ韋
215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:03:56.91 21UPjTmdP
通路の終着点までやってきた。少し広まった空間に両開きの扉が不気味に設置されている。
革靴と靴下は赤黒い液体まみれになり、まるで死体の海を歩いてきたかのようだ。実際似たようなものだろうが。
体中にまとわりつく寒気と腐敗臭に私の神経はかつて無いほどの疲弊を見せていた。
「これから先は声を出してはいけない。だから会話はテレパシーだけだ。
僕が杏子やほむらの会話も中継してあげるから、君もよく注意して聞いて欲しい」
「う、うん、わかったよ……」
「本当に大丈夫かい?やっぱり引き返したほうがいいんじゃないかい?」
扉の向こうから微かに漏れている不気味なうめき声と雄叫び、そして銃声が私の両足を床に釘付けにしてしまっていた。
何か湿ったものが破裂して飛び散る音が聞こえた。続けて何かかなりの質量を持ったものが泥沼に落ちるような音がした。
だが、そこからは何一つとして人間らしい音は聞こえない。
「……だ、駄目だよ……私だって……さやかちゃんを守れなかった責任があるよ」
「……そうかい?」
216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:05:08.42 cIwgdYvr0
腴ッ譜い
217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:10:43.37 cIwgdYvr0
圃務
218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:12:59.72 21UPjTmdP
キュウべぇが何時になく不機嫌なように見えた。
感情を伴わない、少女の魂をエネルギーに変換するための機械のような存在であるはずのそれすら、彼女に批判的に見えた。
こんなもの、一時的な気の迷いが、自分に対して妥協する言い訳を提供しているに過ぎない。
そんなものが許されるわけがない。思いすごしで無くてはならない。
私は目を強くつぶり、扉をゆっくりと開けた。
扉の開放と共に、粘性のある何かが潰れゆく包皮から漏れだすような、ねっとりとした音がする。
見てはいけない。これ以上、私の理性の糸を摩耗する万物を気に留めてはいてない。
目を閉じたまま、扉の隙間から身を乗り出し、壁伝いに数歩進んだ。
まるで沼の上を歩いているようなやわらかさを持った床。それが沼ではないと飛沫の生暖かさが私に無慈悲に訴える。
意を決してまぶたを開く。
目の前に居た「何か」と目があった。肉と肉の間から息苦しげに向けられた視線が私の視線とつながった。
(弖、テ雌え滿ド插弩ウ駟てコ鼓ニ!)
その声が、かろうじて保たれていた私の理性の糸をいとも簡単に切断した。
219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:15:05.83 cIwgdYvr0
餡あン?
220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:16:06.47 FoQmfv3PO
穂牟ほMu!
221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:17:27.00 RhXeZQry0
まどっちまど痲ど
222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:18:49.27 VZAaL4090
アホめぇ
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:25:17.45 sOyHkot50
法師ゅ
224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:27:41.45 21UPjTmdP
「い、いやああああァァァァァァァァァッ!!!」
恐怖にショートした思考が、「銃」と「引き金」という2単語の間で永久ループに陥り凝固する。
ぬるま湯を一気に凍らせるほどの圧倒的恐怖と混乱。
真っ白になる頭が、私の体に本能として身を守るようにとせき立てる。
絶対的な攻撃力と閃光が、私の安全と理性を保証する事を盲信する。
勢い良く放たれた弾丸はその肉塊に命中し、気色の悪い野性的な叫びを引き起こした。
(駄目だまどか!撃っちゃいけない!)
キュウべえの静止を理解するほどの領域は最早頭の何処にもない。
発泡の勢いで後ろに尻餅をつき、スカート越しに生暖かい粘液と深いな柔らかさが臀部を包んだ。
この不快さが更に私の理性を完膚なきまでに破壊し尽くした。
本能が私の眼の前にいる敵を排除すべく、「銃を撃つ」という行為に全身を徹させた。
(や雌……イ夛……)
続け様に放たれた閃光が突如止み、私の手中にある唯一の「安心」は、撃鉄が空を叩くだけの道具に成り下がる。
「まどか!貴方は……貴方は何故……!」
遠くでほむらちゃんの声が聞こえた。腰が抜けて動けなくなった私はほむらちゃんへ手を伸ばした。
「ほ、ほむらちゃん!ほむらちゃあぁん!」
225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:29:48.52 cIwgdYvr0
アん庵……
226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:30:32.12 yhZaAnOD0
アニメの再放送であんこちゃんがドカーンしたと思ったら…
227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:31:12.44 ZoGiNDY5i
なんて役立たずな鹿目
228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:31:30.64 zmqWwv7f0
バッドエンドしかないなんてひどいよこんなのってないよ
229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:34:17.37 FoQmfv3PO
安定の愚かさ
230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:34:30.41 RhXeZQry0
まどっち肉片になっちゃうかわいい
231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:34:37.86 e7DHU6BZ0
どこまでまどかは愚かなの…!
232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:40:39.99 cIwgdYvr0
哺
233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:41:04.80 mP8ENtyM0
ばかなめ
まどかす
234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:43:59.32 21UPjTmdP
それは余りにも絶望的な光景だった。コンサートホールになぜか置いてきたはずのまどかが居る。
そして唯一標的が何処に居るかを指示できる杏子が彼女に渡した護身用の銃で容赦無い鉛の雨に打たれていた。
(ほ、ほむら!触手に集中するんだ!)
インキュベーターの呼びかけに気づいた時には既に遅かった。
私の体は触手に絡め取られ、コンサートホールの壁にたたき付けられた。
背中に強い衝撃が走り、胃液を吐いていた喉からは血がほとばしる。埃と赤黒い粘液が飛び散り、私の頭上から容赦無く降り注ぐ。
動きを封じられた私にはもう興味はないとばかりに、触手は私の体を肉壁から引き剥がし、同じく肉片まみれの床にたたきつけた。
致命的なダメージが入ったようだ。体が痙攣し、血の泡が口元から溢れ出る。
言葉を発しようにも呼吸もままならず、陸に打ち上げられた魚のように体が波打つ。
最後に頭をよぎったのは、何故か魔法少女姿をした巴マミと、鹿目まどかの姿だった。
二人で助けにくきてくれないかな。先輩と、鹿目さんで……
私一人じゃ、無理でした。
235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:45:25.68 cIwgdYvr0
惚むゥ……
236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:47:25.23 sOyHkot50
oh…
237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:48:13.96 IqaKF3IN0
BAD END
238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:48:46.49 FoQmfv3PO
あとはお邪まどっちをお仕置き棲留だけ堕那
239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:48:53.22 W0aSHSh90
井戸魔人の二の舞か…
240:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:50:40.72 iNJ6Zk8I0
ほむ
241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/05/31 23:54:57.19 cIwgdYvr0
ホ霧
242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:00:02.76 e8qt3GL00
帆む惚剥
243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:04:14.40 m+Ed0u8sP
目を開く。未だに私の頭上には肉片まみれのコンサートホールが広がっていた。
泥を垂らすような音に首を動かすと、扉の前で例の怪物がまどかにのしかかり、何かをしているのが見えた。
「ダ、メ……」
体を起こそうとしたが、体を曲げようとした途端に口の中へ血が押し寄せ、余計に血溜まりを広げるに留まった。
手の平に何か縫い包みのような物が乗っている事に気づき目を向ける。
インキュベーターが私のソウルジェムにグリーフシードをあてがい、浄化を行なっているようだった。
「暁美ほむら。あの沙耶という怪物はまどかの体から直接感情エネルギーを取り出すつもりだ。
どうやら杏子の体をいじった時にソウルジェムも一緒に解析したらしくてね。
驚くことに、杏子の体内に既存のタンパク質構造物でソウルジェムと同様の精神体を格納する器官を組み込んでいたよ」
私は言葉を発すること無くインキュベーターの顔をぼんやりと眺めていた。
「こうして入れば体の修復速度も上がるはずだ。
杏子も、あまつさえまどかでさえもやられてしまった以上、残された希望は君だけなんだよ、暁美ほむら」
次第に背中の痛みが引いていく。頬にも血の気が戻り、全身がすこし暖かくなっていくように感じた。
ぼんやりとしていた視界も次第に明瞭となり、動かなかった指先にも感覚が戻り始める。
244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:05:29.42 24dTRwv30
復活北
245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:06:36.48 e8qt3GL00
禍異物ニ菜り躰
246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:12:01.81 FigGkHKmi
④
247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:16:08.97 WZJ9RdyCO
ほ
248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:18:23.83 m+Ed0u8sP
「一つ嬉しい誤算があってね、どうやら沙耶には僕が見えていないようだ。
そこでだ。ほむら、君はこのまま傷ついて倒れたふりをしていて欲しい。
もうこれに賭けるしか無いんだ……液化窒素はあるかい?」
私はゆっくりと盾を持ち上げると、上下に揺らし中から魔法瓶を落とす。肉片に覆われた床が幸いし、目立った音はしなかった。
インキュベーターはしっぽで器用に魔法瓶を掴むと、5mほど離れた大きめの肉塊の影に隠れたようだ。
(恐らく沙耶は今まどかにしているように、のしかかって肉体の改造を行うはずだ。
あれが君にのしかかった瞬間、僕が液体窒素を彼女の背中に撒く。
そこに君が一撃を入れてくれ……体は動くようになっただろう)
(ええ、なんとかね…少なくとも腕なら動くわ)
(なら大丈夫だ。おっと、沙耶が動き出したようだ……頼むよ)
インキュベーターの言葉通り、段々と何かが器用に肉塊を乗り越え私の元へと這い寄ってきている音がする。
私は目をつぶると全身の力を抜いた。
249:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:19:45.19 cprE0nLR0
支援
250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:20:46.22 OeKdrxfP0
それにしてもやっぱり沙耶ちゃんハイスペックだな
251:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:21:14.09 m8NzfNOR0
キュゥべえがオリキャラっぽい
252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:22:20.91 e8qt3GL00
球っ譜イ
253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:24:10.52 24dTRwv30
キュウべえは利害が一致してれば最強の味方
254:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:31:56.20 e8qt3GL00
帆
255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:33:41.63 m+Ed0u8sP
体内から腐敗していくような強い臭気が私の嗅覚を不快に舐め回す。
この空間に来てもう1時間以上は経っているだろうか。慣れ始めていた筈ではあったがやはり近くとなると非常に厄介だ。
だがここで私がうめき声の一つでもあげようものなら、沙耶にこれが罠であることを感づかれてしまう。
ついに沙耶が私の体に触手を伸ばした。ズルズルと重たそうに体を引きずりながら、腕の上を通過してゆく。
ヘソのあたりに体を押し上げた。強い刺激臭の、生暖かい呼吸が顔に当たる。
「今弩倭チャん砥箭ッ弖痾ゲる醉、ホ蟲騾」
そう言うと、沙耶は服の隙間から触手を滑りこませ始めた。
全身の肌を粘着質の生暖かい物で撫で回される。私も曲りなりにも年頃の女の子だ。
こんな屈辱的なことがあって良いのだろうか。今すぐに叫び声を上げて逃げ出してしまいたい衝動に駆られる。
そしてとうとう口、そして秘部から体内に侵入されようとしたその時だった。
256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:34:48.62 1rbnkSo30
ほむほむかわいいよほむほむ
257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:37:33.29 svdBlH5v0
秘部まで伸ばすとか実は百合百合か
258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:38:40.40 xeWaUsoGP
改変世界のキュゥべえも利害が一致してるから味方っぽいだけなんだよな
ドライだけどあの関係は好きだ
259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:39:44.99 e8qt3GL00
惚剥っ
260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:46:29.62 kJq89wVEO
葡
261:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:49:47.88 m+Ed0u8sP
「イ゛痾痾ア゛ア゛ア゛ア゛アアアァァァ!!」
この世のものとは思えない絶叫と共に、沙耶が私の上から飛び退くと、苦しそうに床の上をのた打ち回り始めた。
その背中は真っ白に凍りつき、凍った触手が勢い良く振り回す度に当りに砕け落ちる。
私は沙耶から距離を取るように身を捩り、盾から89式小銃を抜き出し抱きかかえるようにして構える。
「さあほむら、早くとどめを刺すんだ!」
「ええ……言われなくとも」
私は引き金を引いた。
そこにあるのは、今までの現実がまるで嘘のような美しい光景だった。
白い破片が光を反射してキラキラと舞い散り、粉雪が舞う様を彷彿とさせる。
中を漂う沙耶の破片は美しく宙を漂いながら、もうそれが二度と元に戻ることが無いことを暗示するように、地に落ち消えていった。
「ア……壹゛夛ァ……」
なおも沙耶はゆっくりと私から逃げるように扉の方へと這って行く。
だが、その強靭な命も既に尽きようとしているのは明白で、体は回復すること無く、剥離してゆく。
「郁……」
不意に、沙耶の口から何か言葉が漏れた。
「郁ノ……タ醋ケ……沙耶……痛……ヨ……」
沙耶は触手を扉の方へゆっくりと伸ばし、やがてその塊から生命の鼓動が失われ、ドームの中に静寂が戻った。
262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:51:33.06 G6LmH8ln0
沙耶・・・
263:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:53:17.17 L72n4jzX0
沙耶かわいい
264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:54:47.76 e8qt3GL00
ハ魑窮簿武ほム
265: 【末吉】
12/06/01 00:57:20.14 wrXVTY2H0
まどかはどうなったんだ
266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 00:59:30.46 m+Ed0u8sP
ほむらが振り返ると、さやかの魔女が重力に任せて肉片と体液をまき散らしながら崩れ落ちていた。
これが本当に最後までさやかの魔女で会ったかどうかさえ定かではないが、言葉やうめき声もなく崩れ落ちてゆく様は余りにも無慈悲に思える。
その周囲をオロオロと沙耶と同じような姿をした肉塊が這いまわっている。
魔女が消えた今、この肉塊は魔女空間と共に消え去るのだろうか。それともこのまま現世に残り続けるのか。
「ほむら、万一の事を考えるとこの空間ごとこの成れの果て達は処分したほうがいいだろう」
インキュベーターはそう言うと私の肩に乗る。
どうやらグリーフシードは発生しなかったようだ、と付け加えた。
「……元は人間であった者たちよ。少しは言葉を選ぶことを覚えなさい、インキュベーター」
「善処するよ」
私は杏子だったものの近くに歩み寄ると、その前にしゃがみこんだ。
もう既に息はない。これが彼女であったという確証を得るものなど微塵も見当たらない。
だが、あの状況からして間違いなくこの個体が杏子であろう。私はその表面を優しく撫でた。
「杏子……ごめんなさい」
「もう死んでいるっていうのに。わけがわからないよ」
267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:00:25.47 e8qt3GL00
案あン……
268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:02:24.02 24dTRwv30
アん庵
269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:02:24.94 svdBlH5v0
マジでまどカスだなおい
270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:02:52.83 37Qb4Wxji
鹿目が余計な真似しなければ……
271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:02:53.38 owSnLNfy0
庵ぁん
272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:06:01.66 XSaNgjBm0
まどかも「沙耶と同じような姿をした肉塊」になってるんだよなあ...
273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:09:19.47 kJq89wVEO
むしろまともな形保ったまま発狂してほしい
274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:12:40.79 m+Ed0u8sP
インキュベーターの言葉を無視する。
私は立ち上がり、その杏子の数メートル先から、私に向かって這い寄る肉塊に目をやった。
「まどか……よね」
その言葉に一瞬驚いたように体を縮ませた肉塊。
「ホ蟲騾……チャん……な於?」
「ええ、そうよまどか」
私は杏子と同じようにまどかの前にしゃがむ。所々に残る桃色の髪と、表面に張り付いた制服の破片がそれがまどかであると示している。
私は何も言わず、杏子と同じようにまどかを撫でた。他の肉塊よりこぶりなそれは、小さく震えていた。
「虞雌ン……那さイ」
しぼり出すような、小さなかすえた声が聞こえた。
「虞めン那さイ……ゴ雌んなサ壹……!」
まどかは泣いて居た。自分の愚かさを、自分の無力さを。だが彼女にはもうまともに泣くことすら許されない。
「もういいの。もういいのよまどか……ひとりぼっちの貴女に気づかなかった私が悪いのよ……
だからもう泣かないでいいの。私に謝ることなんかないの」
275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:15:02.17 37Qb4Wxji
介錯タイム
276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:15:40.74 WZJ9RdyCO
グロ肉少女まどか★マギカ
277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:17:48.36 svdBlH5v0
まったく役に立たなかったよ
くたばれグロ桃
278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:19:23.52 owSnLNfy0
痲ど眞ド
279:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:19:51.34 Mnt0/5DfO
その状態ではもって10分だ。 お前がこの世を去る数分を、さやか、杏子両名の鎮魂にあてる
280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:21:05.35 e8qt3GL00
魔努磨ド……
281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:21:58.60 m+Ed0u8sP
「ほむら……分かってるんだろう?」
「ええ」
私は立ち上がると盾から拳銃を取り出し、その重厚をまどかに向けた。
小さくふるふると震えるそれは、覚悟を決めたのか何も言わずただ小さく縮こまっている。
構える銃口が震える。私はこれから友達を殺す。守らなければいけなかったものを殺す。
そう、貴女は何も悪くない。
悪いのは自分のエゴで貴女に因果を集中させてしまった私であり、すべてを見失った私なのだから。
「ごめんねまどか……許して……!」
引き金を引く。破裂音と同時に何かが飛び散る音がする。私は思わず目をそらした。
2発、3発と打ち込む。私の手は震えたままで、金属が細かくぶつかるカタカタという音が情けなく響く。
不意に足元に触手が伸ばされ、私の足に名残惜しいとばかりに絡みついた。
しばらくそのままじっとまどかを見つめていたが、やがて力なく、言葉もなく、触手は床に落ちた。
そのいじらしさが尚も私の心を苦しめる。私は嗚咽を抑えることが出来ずにその場で立ち尽くした。
282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:24:20.89 9C5ooEa+0
ルート選択間違えちゃったか
283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:26:19.19 24dTRwv30
うおお
284:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:28:07.12 JrrJn48O0
保守
285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:32:56.37 24dTRwv30
明日まで残っててください
寝る
286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:36:55.87 f5gLlyqb0
寝られなかったら保守する
しかし眠い
しかし読みたい
287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:38:50.47 sVtzb5hn0
舗腫
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:38:53.76 9F8qkKnI0
ルート間違えたというかべえさんの冷静さでさえ事前説明出来なかったのに連れていってどうやってバッドエンド回避できるのか
289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:41:38.90 37Qb4Wxji
鹿目縛って転がしとくしかなかったんじゃ
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:42:27.96 m+Ed0u8sP
―ワルプルギスの夜を翌日に控えた午後の事である。
暁美ほむらの家に一人の来客の姿があった。
背の高い、沙耶より明るめの緑髪を後ろでまとめ、眼鏡をかけた凛々しい印象を持つ女性。
「……こんな状況だというのに押しかけて申し訳ありません」
「いえ、別にそんな……」
丹保涼子は暁美家に通され、その年頃の女の子に似合わぬ部屋を横目で見ながら部屋の主の怪訝な表情を伺っていた。
彼女の肩書きは脳外科医。首都圏の医大に所属している、とその身分を明かした。
「では本題に入らせて頂きます。私は脳外科という分野に身を置く一人として、心理学というものにも強い関心をおいています」
「そうですか」
少女は無愛想に、そしていかにも適当な相槌を打ち、丹保医師の表情をじっと見つめていた。
親しい友人を2人も同じ事件で亡くしているのだ。塞ぎ込んでいると考えれば不自然な事ではない。
今までに何度もこういう患者を診察してきた。匂坂郁紀もそんな患者の一人だった。
あの患者とこの少女は何処か似ているような気がする、と丹保医師は感じていた。
それは表面的なところにとどまらず、直感的なものがそう思わせる。
「あのような事件の後ですから、精神的に披露が溜まっていると思います。貴方は一人暮らしをなさっているご様子ですし。
何かありませんか。人には言えないような、誰も信じてくれない、そんな風に閉じ込めている物は……
夢や現実かどうかわからないことでも構いません。私に話していただけませんか」
291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:42:34.63 cprE0nLR0
最初から居ることがわかってたらどうにかできるだろたぶん
292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:42:44.82 6KPi60JD0
>>288
ほむらと一緒に行動すれば少なくともあんこ殺害は回避できた……かも?
293: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】
12/06/01 01:51:27.66 BlZLLzJT0
穂
294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:56:48.43 m+Ed0u8sP
見滝原バラバラ殺人事件。廃ビルの中から大量の人体の一部が見つかった猟奇的殺人事件だ。
犯人は未だ不明。風のうわさによると、人間のものかどうかすらもわからない臓器があったという話もある。
丹保医師はそんな事件を知っていた。その事件での犯人は大学生の青年。
自分の担当患者であり、交通事故後に脳外科手術を受け脳障害を負い、責任能力は無いとされている。
その後、担当精神科医から聞いた患者が口にしていた少女の名前に、丹保医師は「興味があった」。
あの事件以来、医師は精神科医としての勉強をすすめるという名目の元でこの少女を目撃したという患者の研究に力を入れている。
「……」
なかなか喋ろうとしない少女に、ただ丹保医師は当たり障りのない微笑みを浮かべて居た。
彼女の勘が正しければ、この少女は表沙汰にはならない「何かを知っているはず」だ。
当日にこのビルに入っていた事も、その事件の後に取り乱すこともなくただ静かに日常を送っていることも。
それを匂わせるには十分な状況を作り出していた。
少女の動向を気にしながらも、丹保医師は部屋の細部に気をかける。
特に匂い。あの甘ったるい、腐敗臭のような、体を侵食する匂いだ。
この部屋からはその匂いがかすかにしている、そんな気がした。
「……たまにこれが、夢だったらいいなって思うんです」
不意に少女が喋り出す。医師のペンを握る手に力が入った。
295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 01:58:33.34 e8qt3GL00
ほむほむ?
296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:06:18.04 /5seWFDO0
ほ
297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:08:12.82 L72n4jzX0
ほむ
298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:11:47.43 m+Ed0u8sP
「守るべき一つのものすら守れずに、なんども出会いをやり直して……
そのうち自分が何処にいるのかもわからなくなって来ているんです。
そして最悪の可能性が示された時に……私は本当にこれ以上進むべきかどうかがわからなくなるんです。
あんな事……絶対にありえないと思っていたのに起こってしまった。
それがたまらなく怖いんです。いつかまた、それが自分の身に襲いかかるんじゃないかと」
丹保医師は黙ってその話を聞いていた。少女はうつむいたままひとりごとのように続ける。
「もう一回やり直さないといけないと分かっていても、もうこれ以上の遭遇に耐えられる自信がない。
一回起こってしまったという事は、その可能性がゼロじゃないっていうことだと思うんです」
ペンを止め、彼女はもう一度少女の顔をのぞき込んだ。
何を思い出しているのか、彼女の額には脂汗が滲んでいた。
「その、あり得ない事というのは、どういうことですか?」
丹保医師が尋ねると、少女は再び口を閉ざした。やはりこれ以上は酷か。ペン先をしまうと、手帳に差し込んだ。
その矢先。
「きっと沙耶は、また私の前に現れます」
その言葉に思わず手帳を取り落としそうになる。ペンを乱暴に引き抜き元のページを急いで開いた。
299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:17:02.40 m+Ed0u8sP
「沙耶……というのは?」
丹保医師はさも初めて聞いた風を装い、更なる情報を促す。
「いえ、沙耶はもういません……でも」
少女は顔を上げて空を仰ぐ。
「私はもう一度、「アレ」がいる世界に戻らなくてはならないんです」
―取材翌日。少女は消息を絶った。
見滝原を襲ったスーパーセルに関連した災害による行方不明事件とされているが……
果たしてそうだろうか?と丹保医師はスクラップ帳を本棚に押し込みながら思う。
「沙耶は居ないが、もう一度戻らなくてはならない」とは。
大きくため息をつくと、今日も安眠は出来そうにないなと丹保医師はコーヒーを啜った。
BAD END
300:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:17:54.84 gCpA7ULO0
トゥルーはよ
301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:19:20.89 e8qt3GL00
乙乙乙
302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:19:27.10 iwDFeNh80
さて次は
303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:19:28.00 svdBlH5v0
はよはよ
304:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:19:58.27 el5f7jBl0
まずは乙
305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:20:04.50 f5gLlyqb0
なかなかどうして
乙
よかったよ
306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:22:25.78 m+Ed0u8sP
簡単なのでいいならTRUE行く
307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:23:14.42 JrrJn48O0
>>306
頼む。
308: 【大吉】
12/06/01 02:28:52.38 58z1gXGEi
ほ
309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:31:51.52 L72n4jzX0
ほむ……
310:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:36:16.49 m+Ed0u8sP
>>142から分岐 1
私は深い悲しみという、濁った水槽の底に閉じこもっていた。
誰からも愛されない体、そして誰かの幸せを願うことの出来ないエゴ。
既に詳しいことを思い出すことも出来ないくせに、悲しみと絶望だけが私の首をキリキリと締め付ける。
「どうしてそう思うの?」
誰かが問いかけた。
自分とこんなにも本質の違う、腐った身体を愛してくれるというのだろう?
「私もそうだった。でもね、ちゃんと愛してもらえたよ」
でも貴方は今一人じゃないか?
「うん。元の世界に帰りたいって。普通に戻りたいって言ったから。
私は、幸せって思ってもらえるなら、それでいいと思った」
でも、後悔した。
「沙耶も後悔した。でも、ずっとずっと待っててくれるって、言ってくれた。
だから……私と一緒に作ろうよ」
……私達が、愛してもらえる世界を。
311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:43:23.02 B64Hczuw0
お前は出来る奴だと信じていた
312:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:46:09.37 LPootr+J0
Love me do?
313:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:48:39.00 m+Ed0u8sP
「貴方にもこれを渡しておくわ。あとこれも」
私はまどかに自動拳銃と魔法瓶を手渡した。
「あ、あわわわ……これ……本物の拳銃……!?」
「そうよ、丸腰で入る訳にはいかないでしょう?
それに、今回大切なのはその拳銃よりもその魔法瓶よ」
拳銃に気を取られていたまどかは、もう片方の手に持っていた魔法瓶を改めて見つめた。
角度を変えて何か変わった点を探しているようだが、瓶自体になにか特殊な加工が施してあるわけではない。
「中身は液体窒素さ。沸点は摂氏-196度。つまりその液体はそれ以下の温度ということになる」
「そ、そうなんだ……」
「とても大切なモノだから絶対に落とさないようにね」
まどかは首から魔法瓶を下げると、拳銃を片手に持った。
「準備はいいいかしら?」
「うん……!」
私は扉を開き、中へと足を踏み入れた。
314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:54:35.52 m+Ed0u8sP
相変わらず下水管を通っているようなベタついた空気ではあるが、今度は私の足に杏子とまどかの命がかかっている。
ここまできて足元の肉片を気にするのは野暮だ。構わず踏みつけながら中へ中へと進んでゆく。
一方のまどかは、余りにも歪な空間に足元がふらつき、ほむらからだいぶ遅れを取っていた。
「無理をせずにゆっくり歩いて来ると言いわ。私は先に行って中の様子を確認するわ」
インキュベーターとまどかの返事が聞こえた。私は杏子の安否を確認すべく早足に奥へと進む。
コンサートホールの入り口までやってきた。私はゆっくりと扉を開く。
昨夜と同じように扉と床の隙間に巻き込まれた肉片が赤黒い跡を残す。どうやらあの後ここにあった「何か」は元通りになったようだ。
(恐ろしいまでの回復力だわ……)
ホールをくまなく見渡すが、杏子の姿は見えない。さやかの魔女もおとなしくしており、触手は露出していない。
……まさか。そんな事って。
(ホ蟲騾カ?)
315:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:58:15.16 m+Ed0u8sP
聞き覚えのある唸り声が聞こえる。怪物特有の、あの湿った言葉が。
だが、私の耳に聞こえるわけではない。つまりこれの意味するところは。
(聞コえル插、ホ蟲騾)
……やはりそうなのか。
(杏子……杏子なのね)
答えを聞きたい。だがこの憶測が事実であることは同時に私にとって恐怖でもあった。
(盂ン)
多分これは肯定だ。杏子、貴方もそんな姿になってしまったというの……?
頬から血の気が引いて行く。方々で怪物が地面を這いずりまわっている。この中の一人が、杏子という事実。
「……くっ」
私は強く歯を噛みしめると、一旦扉の向こう側に戻る。
だが私に杏子を攻める資格など無い。一回目の潜入で散々迷惑をかけた身だ。
ただ、私と杏子の立場が変わっただけにすぎない……そうに違いない。
316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 02:59:50.11 svdBlH5v0
罨蠱…
317: 【大吉】
12/06/01 03:04:07.62 58z1gXGEi
支援
318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:07:24.65 WIiGmHSf0
支ヱン
319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:12:20.08 cyl9cuQ20
堡
320:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:13:59.56 agYZg7iR0
腫
321:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:14:14.32 m+Ed0u8sP
(心ぱ藺澄ナ憑ほ蟲騾)
扉越しに尚も杏子のテレパシーが聞こえる。
他の怪物に比べればなんとか彼女の会話を汲み取ることができそうだ。
心配するな、恐らくそう言っているはずだ。
(嚮ス縷シカ那華ッたん橢。
幸イ、テ禮パ弑ナラ、少シ慧聞キ酉ヤ簾イみ弖エ橢)
(ええ……注意深く聞けば、聞き取れるわ)
(ア夛シモ龕張禮バお眞エノ言發ガ慧カ縷ヨ)
私があの怪物のような姿になった時とは違い、どの怪物も人間とはかけ離れた姿をしていた。
だが、私の潜入に気づいたということは、私から見える位置に居たと言うことになる。つまり。
(貴方は何処に居るの?)
(壹リ口ト反體臥ワにい縷。
時關経っチ眞っ夛聲デス臥夛モ大賦変わっ夛ッ弖、沙耶臥壹ッて夛)
(時間が……って、姿が……ダイ……変わった?)
時間経過とともに体があの怪物に侵食されていく、ということだろうか。
そうなると早めに杏子を救い出さねばならない。
322:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:15:05.25 m+Ed0u8sP
私は盾から魔法瓶を取り出すと、その外蓋を取り外し通路に放る。
入り口のほうからまどかとインキュベーターがやってくるのが見えた。
「来たようね、自体は思ったよりも深刻よ」
「そ、そんな……」
まどかの肩が震えているのがわかる。やはりここまで来るのが精一杯なのだろう。
だが、これだけは言わなくてはなるまい。
「まどか、このホールに居る怪物は、絶対に撃ってはいけない」
「え?」
まどかの問いかけに答えず、私は扉に向き直った。
「そして、私が良いと言うまで、貴方はここから出てはいけない」
そう言うと、再びコンサートホールに踊りでた。
323:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:19:21.70 VZ8Yqzno0
シ宴
324:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:24:51.49 m+Ed0u8sP
ほむらちゃんが出ていってからもう30分が経過している。
扉の向こうから微かに漏れている不気味なうめき声と雄叫び、そして銃声が私の両足を床に釘付けにしてしまっていた。
「ほ、ほむらちゃん、杏子ちゃん……!がんばって……!」
私はただ、ここでほむらちゃんと杏子ちゃんの無事を祈るしか無い。
これ以上、誰かに迷惑をかける訳にはいかない。誰かに守ってもらってはいけない。
ここを飛び出していますぐ二人の助太刀に入りたい衝動に駆られる。
だがそれは違う。ほむらちゃんは優しいから、彼女は戦うことよりも私を守ることを優先してしまうだろう。
だから……必要とされるその時まで、私はここで祈り続ける。
突如、扉の向こうからほむらちゃんの声が聞こえた気がした。
何か湿ったものが破裂して飛び散る音が聞こえ、続けて何かかなりの質量を持ったものが泥沼に落ちるような音がした。
だが、そこからは何一つとして人間らしい音は聞こえない。
「まずい……まずいよまどか……!」
「えっ、ど、どういうことなのキュウべぇ!?」
キュウべえは私の肩を離れると出口の方へと走り始めた。
「逃げるんだまどか!沙耶がほむらと杏子のエネルギーを吸収して巨大……」
その言葉を遮るようにして、背後から巨大な肉塊が流れこんできた。
325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:28:15.00 lgzi00lh0
ㇹ腫
326:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:32:23.99 wrXVTY2H0
ほむ
327:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:33:46.68 m+Ed0u8sP
私は肉塊の中に溺れた。むせ返るような悪臭と分泌物が私の体を舐めまわす。
そしてそのまま何処かに引き込めまれて行こうとしているのがわかる。
パニックに陥った私は無我夢中で藻掻き出す。爪の間に食い込む弾力のある繊維質が指先を溶かしていくような感覚に襲われる。
努力の甲斐あってか、なんとか首だけをその固まりの外へと出すことに成功した私は、この行為が軽率であったことを知った。
「いや、いやだあああ!ほ、ほむらちゃん!ほむらちゃああぁぁぁん!」
肉壁に半ば押し込まれるように覆われたほむらが、口から血の泡を吹いてうなだれていた。
その姿は既に魔法少女のそれではなく、私と同じ見滝原中学校の制服を纏ってる。
不意に私も肉壁に押し付けられた。腹部を強く圧迫され、口から体内組織が全て押し出されそうになる。
「うぁ……ぁ……」
口から漏れるのはもはや言葉ではなく、不自然に歪んだ声帯を空気が通り抜ける音。
呪詛にも思える音を発しながら、私の体は触手に蝕まれてゆく。
遠のく意識の中で、なぜかさやかちゃんが私に謝っている姿が浮かんだ。
別にいいんだよさやかちゃん……さやかちゃんは悪くないよ、私、わかってるよ……
328:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:39:23.28 m+Ed0u8sP
間一髪で魔女空間を抜けだしたキュウべえは途方に暮れていた。
こんな凶悪な外来生物を駆除できるのは、あの二人ぐらいなものだと思っていた。
ほむらと杏子を取り込み解析されているとすれば、まどかのエネルギーを回収する器官の構築などお手の物だろう。
破綻だ。もうこのシステムは破綻したも同然だ。
今空間内のエネルギーは膨大なものとなり、それがこの世界中に解き放たれようとしている。
廃ビルを出ると、街に人の姿がなくなっていた。
振り返れば廃ビルから巨大な茎のようなものがつきだし、その頂上で大きな蕾が今にも開こうとしていた。
「……これは、地球上の植物で言うならたんぽぽに近い形状だ」
誰が聞いているわけでもないが思わずうんちくを垂れる。
人間たちがいないのはこの植物に本能的危険、つまり恐怖を感じたためだろう。
だが、もう遅い。これが解き放たれては逃れるすべなど無い。
一惑星の、一知的生命体の終焉。まあ、なかなかに興味深いが僕達が構築してきたシステムはもう使えないだろう。
329:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:40:32.62 JrrJn48O0
TRUE?
330:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:40:58.06 svdBlH5v0
うわぁ
331:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:48:12.54 m+Ed0u8sP
駅前に行くと、自動車が大渋滞を起こしていた。
そんな原始的な道具で逃げられるような範囲などたかが知れているというのに、実に非合理的だ。
僕だったらもう逃げられないことは明白だし、いかによく観察できる場所を探すか、と言うことに駆け回るね。
人のいなくなった改札を取り抜け、ホームに上がる。
線路に降り立ちしばらく歩くと高架橋の上から遮蔽物なくあの植物のようなものを観察出来る場所にたどり着いた。
「人間の言葉を借りるならきっとあれはとても美しいものなんだろうね」
廃ビルを突き破り、葉が四方へと広がった。あの形状、まさにたんぽぽのそれにそっくりだ。
逃げ惑う愚かな人間たちよ、そんなに急いで何処へ行く。
君たちの終焉の時が始まる。いつものように祝えばよいではないか。素晴らしい記念の時なのだから。
―花舞う 貴方の空に
命よ 息吹いて やすらぎの色に
332:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:48:12.74 wrXVTY2H0
ふぉああああ
333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 03:51:53.92 KriYw+st0
わお
334:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:00:50.29 m+Ed0u8sP
今まさに沙耶の子供たちがその旅たちを祝福されんとしていた。
豊かな土壌を見つけた種は、その栄養を借りて花を咲かせ、そして次の土地を探して旅立ってゆく。
この船出を祝わずにいられようか。
さあかわいい私の種よ、どこまでも飛んでいって。
私の最も愛する人の元へ、そして私と貴方の時代の幕開けを美しく彩って。
いつかきっと、二人が幸せに暮らせる世界来ると信じていた。
世界中を美しい色に染め上げ、そして美しい歌で満たす。
ああ、かくも美しく。ああ、かくも雄大な。
「この世界を、あなたに、あげます」
この旅立ちがすんだら、貴方に会いに行こう。
そして、貴方と一緒に愛を唄おう。
もう悲しむことのない、美しい世界の真ん中で。
―スベテヲ アゲルヨ……
泣かないで 二人の 時が始まる
335:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:05:39.90 v0lIi4NJ0
これが踏み台クロスってやつか
336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:09:13.43 m+Ed0u8sP
気づけば私は空に居た。
見滝原の、その角張った痛々しい街を見下ろしていた。
隣りに座った白いワンピース姿の少女が私の手を握る。
「さやか。私たちの世界が今日、始まるんだよ」
遠くの空、山の向こうに夕日が沈んでゆくのが見える。
今、私がどうしてここにいるのかは分からない。なんとなく自分の両手を眺めてみる。
……いつもの私の手。私の体。そして身に着けているはずのソウルジェムは何処にも見当たらない。
「貴方の体だよ。沙耶が再構成してあげたの」
「そっか……ありがとう」
恭介、喜んでくれるかな。私のこと、受け入れてくれるかな。
……うん。きっと大丈夫。私はもう、ゾンビなんかじゃない。
本当の気持を、ありのままに伝えようと思う。
今日から始まる新しい世界に、精一杯の感謝と祝福を添えて。
―La_i 怯えないで 優しく 私を呼んで
La_i 出会えた奇跡
337:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:14:08.52 m+Ed0u8sP
またいつか、貴女に出会えると信じている。
肉体を失ってなお、私は新たな旅立ちを与えられたのだから。
次出会った時には、絶対に貴女を守ってみせる。
だから、期待して待っていてね。
私が絶対、貴女を守るから。
きっとこれは―しばしの別れにすぎないから。
さようなら……いいえ。またね、まどか。
―愛は この世界に 満ちてゆく
TRUE END
338:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:16:15.25 m+Ed0u8sP
まどかも大好きだけど沙耶の唄好きすぎてこんなになっちゃったすみません
お付き合いありがとうございました
明日にでも貴方の空に沙耶の祝福があらんことを。
339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:21:42.98 /5seWFDO0
乙
340:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:27:26.48 gCpA7ULO0
乙
341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:27:55.17 iYHTzgmnO
失恋女がワンチャン欲しさに世界を滅ぼすのだからいい迷惑
って本編と大差ないじゃん乙
342:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:31:11.99 ekLCjRlD0
沙耶原作と何ら変わらないオチのためにまどほむ杏子はさして意味もなく巻き込まれて殺されたわけですか
踏み台クロスの上に面白くないとか最悪ですね^^;
343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:32:26.00 rX3tvQd80
乙
344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:33:30.88 oqPjmlmai
>>342
虚淵原作の代物に何言ってんだこいつ
乙!
345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:34:55.92 TMTMOy+oP
乙
意味もなく死ぬのは虚淵へのリスペクトだろ
346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:37:43.37 ekLCjRlD0
なるほどなるほど
面白くない踏み台クロスって部分は否定のしようがないってことですねよくわかりました
347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:41:31.01 TMTMOy+oP
面白い面白くないは個人の感想だから否定しようがない
348:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:47:56.75 m+Ed0u8sP
本当はもっと引き伸ばして最終的に最後生き残ってほむらにおいてかれた杏子が
丹保先生よろしく世界の終焉を見届ける話にしたかったけど時間とモチベの関係でエターなった
まどかが必ず犠牲になるのは郁紀なしで沙耶に世界を侵食させる為に
必要だったからなんです不快に思った方居たら申し訳ない
まどかはいい子すぎるから無自覚悪として動かしやすいんだすみません
349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:50:07.12 oqPjmlmai
>>348
俺は楽しめたよ
乙!
350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 04:50:12.18 XCWPQ52SO
乙!
351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 05:02:22.38 JrrJn48O0
>>348
沙耶の唄はいろいろと耳に入ってきて
気になっていたのだが今回その一端を
感じ取ることができた。
噂どうり相当えぐいみたいですね。
トゥルーエンドはあってもハッピーエンドは
ないということで
(あれっ?虚淵という事でまどかも同じだったなぁ~(汗))
ところで地の文という事でVIPではめずらしいSSでしたが
過去に何か書かれてましたでしょうか
よろしければ教えていただけませんでしょうか。
沙耶の唄もやってみたいんですけどね~
君望もコンプしてないしFateとやってないし
いつになる事やら後グロ大丈夫かなぁ……
それでは乙でした。
352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 05:32:11.31 e8qt3GL00
乙乙乙
乙乙乙
353:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 05:34:57.08 cprE0nLR0
乙
354:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/06/01 05:58:20.69 dJ3ip3E00
乙乙