12/04/02 00:49:25.88 tJxkRY0c0
そいや恭介って本当はさやかちゃん好きなんだよな支援
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 00:50:43.07 vX68Fsju0
さやさや
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 00:51:07.12 9v1DceaXP
面白い
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 00:52:20.61 iJNPK8ap0
「あんた、まどかとほむらを、斬ったの」
【………】
「あんたはあたしの魔獣なの」
【………】
魔獣はすう、と剣を構えた。
「あたしは、負けないよ」
さやかも剣を構える。
どちらも同じ構えだ。
さやかは蒼色の衣装に白いマント。
仮面の魔獣は黒装束に同色のマフラー。
さやかは銀の剣を握り、魔獣は黒塗りの剣を握る。
【………】
双方、同時に土を蹴った。
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 00:55:56.44 iJNPK8ap0
「だあああああっ!」
振りかぶられたさやかの剣の軌道から身を逸らせて、魔獣が剣を疾らせる。
横薙ぎの一撃を前転してかわすさやか。
体勢を整えようとさやかのとった距離を息つく間もなく魔獣が詰める。
「!」
下段から噴き上がるような斬撃。
横っ跳びにそれを回避したさやかにさらなる追撃が迫る。
【………】
突き抜けるような切り払いをくぐり抜けてさやかが胴を狙う―
「え!?」
魔獣が片手をさやかの肩に置いて宙を舞った。
飛び越えざまに切り裂かれたさやかの腕の傷から血が溢れる。
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 00:58:12.45 iJNPK8ap0
「くっ!」
即座に刃創を治癒しながらさやかが振り返る。
着地した魔獣が右掌をさやかに向けた。
同時に、さやかの周囲に有刺鉄線が出現。
とっさに跳躍して有刺鉄線による捕縛を回避するさやか。
【斬る……!】
空中のさやかに追いついた魔獣がその剣を一閃。
「――っ!」
なんとか防いださやかだが、衝撃のままに吹き飛ばされ荒野に叩きつけられる。
「にゃろー……」
治癒魔法を展開しながら立ち上がったさやか目掛けて魔獣が飛び込んでくる。
土煙を切り裂いて振るわれた剣をかわし、反撃に転じるさやか。
四肢で着地した魔獣へと斬りかかる。
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12/04/02 01:01:41.95 tJxkRY0c0
盛り上がってきたな支援
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 01:02:33.92 iJNPK8ap0
結界に忍び込んだ杏子は張り巡らされた有刺鉄線の向こうにさやかと魔獣を見た。
さやかの振り回す剣をすべて紙一重でかわす魔獣。
「ばか、相手をよく見ろ……!」
魔獣の繰り出した的確な突きがさやかの剣と腕をすり抜けてさやかの頬を裂く。
牽制に剣を振りながら後退するさやか。
魔獣が投擲した剣を弾いたさやかへと、跳んだ魔獣が頭上から襲い掛かる。
「上だ!」
聞こえないのに叫んでしまう杏子。
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 01:03:45.61 vX68Fsju0
さやさや
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 01:06:10.45 iJNPK8ap0
その叫びが届いたかのように反応したさやかが防御しようと剣を掲げた。
しかし魔獣はさやかの目前に着地した。
さやかの胴はがらあきである。
「嘘だろ……ッ!」
さやかの反射的な動きよりも速く、魔獣の剣がその腹を貫いた。
杏子は有刺鉄線にしがみついて絶叫した。
「さやかああああああああッ!」
かしゃん、
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12/04/02 01:09:03.02 3BRA27BH0
今から読む
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 01:10:44.80 iJNPK8ap0
という軽い音にマミは振り返った。
さやかのよく使うカップが、まっぷたつに割れていた。
「美樹さん、」
力無く立ち上がったマミは、カップだったものを注意深く拾う。
「美樹さん、死なないで―」
ぽろりとマミの瞳から涙が零れた。
「死なないでえええっ!」
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12/04/02 01:14:07.22 iJNPK8ap0
概念空間。
予測されていた未来が現実のものとなってまどかの前に表示されていた。
「う、そ、でしょ……?」
魔獣の剣に磔にされ、動かないさやか。
その手からサーベルが落ちて、地面に突き刺さる。
「いやだ……、こんなの……あんまりだよ……」
うつむいて嗚咽を漏らすまどか。
「さやかちゃん、さやかちゃん……」
なんとか顔をあげ、涙を流しながら表示を見つめる。
その表示のなかで、だらりと垂れ下がっていたさやかの腕が、
ぴくりと動いた。
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 01:18:02.93 iJNPK8ap0
「―まどかとほむらを、」
自らを刺し貫く黒剣をぐっと握り、
「助けるから―、」
さやかは顔をあげた。
「―死んでなんか、いられないっての!」
魔獣の剣はさやかのソウルジェムを掠めただけだったのだ。
さやかが再びサーベルを抜き放つ。
【………!】
魔獣がなにかしようとする前にさやかの振るった剣がその両腕を切り落とした。
着地したさやかは治癒の魔法をかけながら、己を貫通していた剣を抜いて捨てる。
剣と腕がぼろぼろと崩れていく。
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 01:18:55.89 3BRA27BH0
し
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 01:21:03.23 vX68Fsju0
さやさや
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 01:21:49.73 iJNPK8ap0
「なんかさ、」
完治した腹を撫でるさやか。
あとじさった魔獣の腕もぞりぞりと再構成されていく。
「あんたってほんとにあたしなんだなってわかった。なんとなくだけどさ」
さやかが笑う。
魔獣は構えた。
【……この世界って守る価値あるの】
滴るような暗い感情の沁みこんだ声。
【―教えてよ】
黒い風になって魔獣が迫る。
さやかも構えた。
【今すぐあんたが教えてよ】
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 01:25:26.97 iJNPK8ap0
「あるよ」
魔獣の強襲を鍔元で受け止めるさやか。
剣と剣が軋り叫ぶ。
「あたしが希望を持てるのは、大事なひとたちがいるからだもん」
【それって自分のためじゃん。そんなんじゃ正義の味方なんて、なれっこないよ】
「……あたしさ、ほんと言うと今も迷ってるんだ。ひとの為に戦いたい、でもあたしの気持ちを無視したりなんてできない、って」
【偽善者め……、お前だけは絶対に許さない】
魔獣がどこからともなく引きずり出した二本目の剣を振るう。
跳びすさってさやかも二本目を抜いた。
「言うとおりだよ。あたしって、ほんとバカ」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 01:26:35.78 T7gR95ZE0
URLリンク(27.media.tumblr.com)
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 01:30:44.76 iJNPK8ap0
困ったように笑いながら、二本目をくるりと回して逆手に握るさやか。
やはり、魔獣も同じ構えである。
「でもさ、正義の味方のつもりで、まどかやほむらを傷付けたくないって思うんだ。だって、それって本末転倒じゃんか」
【まどかは魔女でほむらは裏切り者だ。悪は斬って断罪しなきゃならない】
猛然と魔獣が接近。
さやかも踏み出し、一撃目を躱して二撃目を防ぐ。
空振りした剣の刃を返して再度切り掛かろうとした魔獣の右腕をさやかが切り落とす。
「あたしは弱い。よくわかったよ」
跳び退きざまに袈裟掛けに切り裂こうとする魔獣。
それを身を開いて流したさやかが回転の勢いを乗せて魔獣の横腹をえぐる。
「マミさんみたいに器用じゃないし、杏子みたいに思い切れない。ほむらみたいに一生懸命にもなれない」
追撃しようとするさやかに、魔獣が再構成された腕を向ける。
出現した有刺鉄線がさやかの剣を受け止めた。
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
12/04/02 01:31:38.94 vX68Fsju0
さやさや