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広い範囲の大地震が連動して大津波を引き起こした東日本大震災は、死者・行方不明者の9割以上が津波の犠牲者とみられる。
九州でも、四国沖-東海地方の海底で南海、東南海、東海の3地震が連動すれば、宮崎、大分両県沿岸を中心に5メートルを超す津波が押し寄せると推測されている。
ただ研究者は、九州近海の震源域もさらに連動する可能性もあることなどから「想定を超える津波が到達する恐れもある」と、十分な備えをするよう警鐘を鳴らす。
津波の記録をまとめた「日本被害津波総覧」によると、南海、東南海、東海の3連動地震が起きたのは慶長地震(1605年)と宝永地震(1707年)。
慶長地震では、現在の鹿児島県姶良市から鹿児島市にかけて大波が押し寄せ、死者が出たと伝えられており、宝永地震でも鹿児島県・種子島で5-6メートル、宮崎県延岡市や大分県佐伯市などで4メートルの津波があったと記録されている。
一方、雲仙・普賢岳(長崎県島原市)が1792年に噴火した際は、東側の眉山が崩壊して大量の土石が有明海に流入、大津波が対岸の熊本側も襲い、両岸で死者1万5千人を超す「島原大変肥後迷惑」と呼ばれる惨事が起きた。
鹿児島県の桜島周辺でも1781年や1914年の噴火時に津波被害が出ている。
四国沖などの3連動地震に関しては、政府の中央防災会議が2003年に被害予測をまとめ、九州東岸を最大5-6メートルの津波が襲うと想定している。
ただ、東京大地震研究所の古村孝志教授(地震学)は「過去の記録から導き出された予測」と指摘し(1)海底の浅い部分も震源域になる(2)3地震以外に日向灘の震源域まで連動する-といった条件が加われば「想定を超える可能性もある」と警告する。
中央防災会議は4月27日、防災基本計画を見直し、津波対策の強化方針を決めたが、古村教授は「防潮堤などハードでの対応は予算や時間の面で限界がある」として、沿岸の市町村は過去の指針にとらわれない津波ハザードマップを作るなど独自のソフト対策強化が必要と指摘。
「沿岸住民は、生活の場が海からどの程度の距離にあるのか、津波発生時の避難先となる高台や高層の建物があるかなどを確認しておいてほしい」と呼び掛ける。
=2011/05/04付 西日本新聞朝刊=
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