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原爆でピカの毒にやられた老害が福島原発事故を利用して国に３００万円の損害賠償
２００８年に要件が緩和された原爆症認定の新基準で申請を却下された愛知県内の被爆者３人が１日、国に処分取り消しと１人当たり３００万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴した。
原告は会見で「福島原発事故で放射能の被害が増えるのが気がかり」と訴え、自らの健康被害を原発事故と重ね合わせた。
原爆症認定をめぐっては各地で集団訴訟があり、０９年に全国原告・弁護団と国が全員救済で合意したが、新基準でも認定されない被爆者がいる。代理人弁護士によると、新基準の妥当性を問う訴訟は大阪地裁などでの提訴に続き少なくとも５例目となる。
訴えたのは、広島市で被爆し白内障を患う一宮市の森敏夫さん（８６）と、ともに長崎市で被爆し肺がんと乳がんになった清須市の山田初江さん（７８）、慢性甲状腺炎を発症した名古屋市緑区の高井ツタヱさん（７５）姉妹。
森さんは、職場だった爆心地から１・５キロの兵舎で被爆後、負傷しながら広島の復旧工事に加わった。大半の同僚が犠牲になった。「今日の提訴は亡くなった仲間に励まされているようで涙が出た。
当時は内部被ばくなどの情報を知らされず、（直接は放射線を浴びなかった）３～４人の同僚が大量の血を吐いて死んだ理由が理解できなかった」と振り返った。森さんは膵（すい）のう胞での原爆症認定を争った集団訴訟では敗訴している。
当時、いとこを捜して爆心地から約２キロまで近づいた高井さんは福島原発の事故が起きた３月、健康被害の心配から初めて子どもに自分が被爆者だと打ち明けた。「福島の事故で原爆を思い出し、怖くなった。がんを患いながら認定を目指す姉と一緒に闘う」と話した。
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