11/09/04 18:22:58.23 CUe44qw20 BE:959381287-PLT(12000) ポイント特典
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「新にっかん飛切落語会」第21夜
■さりげない間にも味あり
イイノホールの建て替えで会場を転々としてきた「新にっかん飛切落語会」。落ち着かなかったが、それも今回が最後だ。
安定した顔ぶれで楽しませた(29日、東京・新宿、紀伊国屋サザンシアター)。
春風亭昇々は残暑の候には珍しい「初天神」。駄々をこねる子供の表現はややくどいが、「イケメン」の話題が先行しがちなのが
気の毒な二つ目だ。
立川談春は「粗忽(そこつ)の使者」。先代の柳家小さんが得意としていた噺(はなし)でもともと笑いどころは多いが、
談春はこれに独自のくすぐりをたっぷりと加えて爆笑を誘う。武張った侍も、とぼけた粗忽者も、伝法な職人も、
みごとにこなせるのがこの人の力量だ。粗忽者の地武太(じぶた)治部(じぶ)右衛門(えもん)が「切腹」のつもりで
「拙者ここで一服いたす!」と叫ぶくだりが秀逸。
三遊亭円橘は六代目円生の思い出話から、第1回の飛切落語会で演じてその円生に「もう少し修業なさい」と叱られたという
「こんにゃく問答」へ。荒れ果てた寺の本堂の描写などにベテランらしい味を聞かせた。
トリは噺家生活60周年を記念して全国で独演会を開催中の桂歌丸。「ねずみ」を取り上げた。
母屋を後妻と番頭に乗っ取られた貧しい父子の宿に泊まった左甚五郎が板きれでねずみを彫ると、
そのねずみが動き出して評判となり、宿は大繁盛。すると母屋の側も負けじと仙台の職人に虎の像を彫らせる。
歌丸は途中で一度湯飲みをすすったが、それが宿に着いた甚五郎が父子の身の上を聞く場面。こんなさりげない間(ま)に、
大ベテランの味わいがのぞいた。
この落語会、10月の会から新装なったイイノホールに戻る。こけら落としには桂歌丸、柳家小三治、三遊亭円楽、立川志の輔ら、
豪華な顔ぶれが予定されている。
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