11/08/22 14:14:34.19 U8mmhLpt0 BE:3636463469-PLT(12000) ポイント特典
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河北新報/河北抄
題名に「ん」があると、ドラマは当たるという。なるほど「水戸黄門」や「大岡越前」に入っている。久世光彦さんの『向田邦子との二十年』にあった。
脚本家の向田さんと演出家の久世さんコンビといえば「七人の孫」に「時間ですよ」。そして、小林亜星さん扮(ふん)する石屋の親方一家を描いたホームドラマ「寺内貫太郎一家」にも「ん」が付いた。
かんしゃく持ちのオヤジがちゃぶ台をひっくり返し、樹木希林さん演じるおばあちゃんが「ジュリー!」と身をよじらせる。昭和の東京・下町で展開する笑いと人情が、お茶の間の人気を呼んだ。
向田さんが航空機事故で亡くなって、きょうで30年。遅刻の常習犯だった、と久世さんは回想する。言い訳は「出がけに電話があった」「猫が逃げた」の二つと決まっていた。
「遅れてばかりいた向田さんは、人より早く死んで、私たちを驚かせた」。そう書いた久世さんも、5年前にこの世を去った。
2人のいない今「ホームドラマ」や「ちゃぶ台」「下町」「人情」「お茶の間」そして「昭和」という言葉も、遠くへ行ってしまったような気がする。
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