11/07/31 19:44:12.30 aQT6l/AY0
Q6.海中に転落したら?
錨泊中ならアンカーチェーンにでも掴っていて下さい。薄情なようですが、航海中なら諦めて下さい。死にます。
私は「俺は海に落ちたけど、船が迎えに来てくれて助かったよ」などと言う話を聞いたことがありません。
(戦時中の沈没、瀬戸内海や大阪湾のような平水区域は別です。)私の先輩でも落水され、行方不明になった方が何人かいます。
人が今海中に落ちたことを、運良く誰かが見ていたとしても、助かる可能性は50%以下でしょう。
落水発見者がブリッジまで走り、すぐさま当直航海士に告げても、そのときまでには相当の時間が過ぎています。
船は対処するまで走り続けていますし、海には潮流もあります。落水者の元へ返ることは容易でないのです。
それに人間は海面から頭一つしか浮き出ないわけですから、波の中で、落水者を発見するのも至難の技です。
落水から1時間以上も経過して気づかれた場合、救助がいかに絶望的であるかという理由を、これ以上説明するまでもありませんね。
もう一つ加えるならば、人間は水温6℃の海中で1時間しか生きられないと言われています。救助は時間との闘いになります。
それでも、気休めだけをお話しますと、落水時にはヘルプの姿勢をとって下さい。膝を抱え、唯じっとしているのです。
決して泳いではいけません。体温を逃さず、体力を温存させ、救助までの時間をかせぐためです。そして、生きぬくことのみを胆に命じ、ひたすら救助を待つのです。
とにかく海中転落しないことです。
皆さんが大洋航海する機会は少ないかもしれません。しかし、フェリーなどに乗船した時にも、
ハンドレールから身を乗り出したり、ブルワークなどに腰かけることは絶対にしないで下さいね。