11/06/25 22:25:26.37 SeUGbJ6R0
1世紀にわたる戦乱の時代に終止符が打たれる日も間近になっていた。
その年の春、レターロング公は精強な騎馬軍団で知られたヘルム州、レター州を平定した。
1582年5月、チャイナ遠征の督励のため、レターロング公はわずかな側近達とともにメトロポリスに入っていた。
公の命令を受け、1万5000の兵を率いてチャイナ遠征軍の援軍に向かっていた
タートルマウンテンの領主ブライト・ソフィアは、6月2日未明、武装を整えてローレル川を渡った。
―「敵は、インスティンクト・テンプルにあり!」
ブライト・ソフィア軍は、レターロング公の宿泊していたインスティンクト・テンプルを囲んだ。
「オーキッド! いかなる者の企てぞ」
「あれに見えるはライトブルー・ベルフラワーの紋章! ブライト・ソフィアの手の者と見えまする」
「アンアボイダブル……」
一代の英雄レターロング公は、こうしてインスティンクト・テンプルの炎の中に消えたのである。
― カウワン=ブロードライスフィールド『レターロング公メモランダム』