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原発事故作業へ、経験生かして=「リタイア組」130人志願-元技術者が呼び掛け
「僕たちリタイア組がやるしかない」。福島第1原発の事故対応の長期化が予想される中、
元技術者の山田恭暉さん(72)が発起人となって、収束作業に当たる「行動隊」結成を呼び掛けている。
建屋での作業も念頭に置いているが、既に約130人が参加を表明しているという。
山田さんは東大工学部を卒業後、住友金属工業で勤務し、プラント建設などに従事。原子力に関する知識もあり、事故が深刻な事態に至ることはすぐに分かったという。
「ロボットを遠隔操作しても、最後には人間の目と手でしかできない大事な仕事が残る。高い放射線量の中で若い人がやったら、子供ができなくなる危険性もある。
被ばくの影響が比較的少なく、技術も分かる僕たちのような退役組こそ適任と考えた」と語る。
山田さんは4月上旬、友人や元同僚らにメール500通、手紙2000通を送った。
ホームページも立ち上げ、「次の世代に負の遺産を残さないため」として、原則60歳以上で現場作業に耐えられる体力、経験を条件に志願者を募った。
東大名誉教授、元自衛官、大型クレーン運転手、元溶接工、とび職など多彩な人材が名乗りを上げた。
通訳の佐々木和子さん(72)は「何かできないか考えていたら、山田さんが声を上げたので飛びつきました。最初は断られたけれど、女性でもできることはあるはず」と話す。
東京電力が収束の計画を作り、協力企業やその下請けなどに実際の作業を頼る現状は、山田さんの目には心もとなく映る。
原発安定化への作業を、政府主導の「国家プロジェクト」に格上げするよう提唱、与党の国会議員に働き掛けてもいる。
政府や東電から行動隊の計画が認められれば、実際の作業に備えて、防護服などを着用しての訓練に入りたい考え。(2011/05/19-16:01)
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