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東日本大震災の前兆すべり観測できず 問われる予知体制 2011年4月26日22時20分
巨大地震の前触れと考えられている「前兆すべり」が東日本大震災の前に観測されなかったことが、
26日に開かれた地震予知連絡会で報告された。前兆すべりの検知を前提とした東海地震の予知体制の
あり方が問われることになりそうだ。
予知連では、山岡耕春名古屋大教授が、国土地理院や防災科学技術研究所などの観測結果をまとめて報告。
全地球測位システム(GPS)による地殻変動や、岩盤のわずかな伸び縮みや傾きを観測データを示し、
「本震前に前兆すべりのような顕著な変動はみられない」と説明した。
前兆すべりは、地震を起こすプレート(岩板)とプレートの境界が、地震の前にゆっくりと滑り始める現象。
東海地震の予知を目指して、気象庁は東海地方に展開する観測網でとらえようとしている。
この理論では、東日本大震災の前に前兆すべりが観測されたはずだった。
観測網は東海地方の方が充実しているが、マグニチュード(M)9.0という巨大地震でも観測できなかったことは、
M8級と想定される東海地震の予知が本当に可能かの検証が必要になる。
東海地震は、政府が唯一予知の可能性があるとして、大規模地震対策特別措置法で予知した場合に備えた
防災体制を構築している。
地震予知連会長の島崎邦彦東大名誉教授は「東海地震のような前兆すべりは観測できなかった」と認めた上で、
「(観測条件や地下の特性は)東海とは同じではない」と話した。
東海地震の予知は、地震学者にも「今の地震学では予知できない可能性の方が高い」とする意見や、
ロバート・ゲラー東大教授のように「政府は不毛な短期的地震予知を即刻やめるべきだ」との指摘もある。
しかし、予知の可能性は残されており、政府は失敗した場合に備えながらも、予知体制を維持している。
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前兆すべりの仕組み
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