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「電源喪失で容器破損」東電報告書検討せず
東京電力福島第一原子力発電所2、3号機で使われている型の原発は、電源が全て失われて原子炉を
冷却できない状態が約3時間半続くと、原子炉圧力容器が破損するという研究報告を、原子力安全基盤
機構が昨年10月にまとめていたことがわかった。
東電は報告書の内容を知りながら、電源喪失対策を検討していなかったことを認めている。
国は2006年に「原発耐震設計審査指針」を改定し、地震の想定規模を引き上げた。これを受け、国の委託
で原発の安全研究に取り組む基盤機構が、09年度から様々な地震被害を想定した研究を始めた。
1970年前後に開発された、2、3号機の型の沸騰水型原発(出力80万キロ・ワット)については、地震で電源
喪失した場合、原子炉内の温度や水位、圧力などがどう変化するかを計算した。
その結果、3時間40分後には圧力容器内の圧力が上がって容器が破損し、炉心の核燃料棒も損傷。
格納容器も高圧に耐えきれず、6時間50分後に破損して、燃料棒から溶け出した放射性物質が外部へ
漏れるとした。
(2011年4月4日03時08分 読売新聞)
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