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精神疾患のために生じる医療費や労働力損失などの社会的コストが、年間11兆円に上ることが、
順天堂大学などの調査で分かった。
過剰な投薬など不適切な治療で病気が長引く患者も多く、コストを押し上げているとみられる。
東日本巨大地震の影響でうつ病やストレス性疾患を患う人の増加が懸念されており、患者への
早期で適切なケアはもちろん、精神医療のあり方も見直しが求められそうだ。
調査は、同大医学部の横山和仁教授(衛生学)らが、厚生労働省の補助事業として実施。
2008年度の統計資料などから〈1〉医療費の総額〈2〉うつ病で仕事が手に着かないなどの
生産性低下による損失額〈3〉介護する家族の労働コスト―などを推計して合計。年間の
社会的コストを最大で11兆3756億円と算出した。病気別の医療費で一番多かったのが
幻覚や妄想が起きる統合失調症で1兆980億円。約80万人の患者がいるとされ、
長期入院の人が多い。うつ病などの気分障害が、3101億円で続いた。
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