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1冊の「週刊少年ジャンプ」が、雑誌の最新号が届かない仙台市にある書店で、100人以上の
子どもたちに「立ち読み」されている。客から譲り受けた貴重な1冊。人気マンガの続きを読み、
「安心した」と笑みを浮かべる子どもたちがいた。
震災後、多くの書店が閉店するなか、同市青葉区の地下鉄南北線五橋駅近くにある塩川書店
五橋店は14日、在庫だけで営業を再開した。しかし、雑誌の最新号を求める客が来るたび、
店主の塩川祐一さん(47)は「ないんです。入荷も未定です」と謝り続けた。小学館の
「コロコロコミック」がないと聞き、泣き出す子どももいたという。
とくに「読みたい」と訪ねてくる人が多いのが、人気マンガ「ワンピース」などが連載されている
集英社の少年ジャンプだ。そんなとき、どうしても読みたいと山形県まで買いに出かけた
男性客が22日、読み終えた1冊を譲ってくれた。
「少年ジャンプ3/19発売16号 読めます!! 一冊だけあります」。塩川さんが店頭に
張り紙をすると、口コミで情報が広がった。順番待ちになることもあり、10キロも離れた
自宅から自転車で読みにやって来た子どももいたという。
表紙がめくれあがったジャンプを手に、沢田幸輝くん(13)は「色んな書店を回って、どこにも
なかったんです」とほっとした様子。友人の長谷川稜くん(13)は「ワンピース」を2度じっくりと読み、
「安心した。続きが読めてよかった」と喜んだ。
塩川さんは「テレビに映し出される悲惨な映像を見せたくない、と児童書や絵本を求める
親が増えた。まずは衣食住の確保ですが、子どもたちのため、本が果たす役割は
大きいと思います」と話した。
asahi.com
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