11/03/22 20:58:08.43 CGCMPOB80 BE:1011931744-PLT(12000) ポイント特典
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「沖から火が押し寄せた」夜明け前の空焦がす 気仙沼被災ルポ
あちこちから火の手が上がり、夜明け前の空を焦がしている。12日午前4時すぎ、気仙沼市民会館のある高台から見た市中心部の光景に、ぼうぜんと立ち尽くした。
津波が押し寄せた気仙沼市街は、がれきの山だ。骨組みだけを残して流された建物の跡。ひっくり返った車が折り重なる。足元にはサンマやアイナメが転がり、油のにおいが立ちこめる。
「沖の方から火が押し寄せてきた」。住民によると、火は海上に流れ出した油に引火したことで広がったという。
車を運転して南下し、海沿いの階上地区に入る。ヘルメットをかぶった男性に呼び止められた。
「避難所の階上中学校まで乗せていってくれ」と言う。オレンジ色の毛布にくるみ、数人で抱えていたのは子どもだった。
一緒に向かった。「寒くないか」。父親が真っ赤に目を腫らして子どもに声をかけ続けていた。毛布の間から保育所の名札が見えた。
中学校は避難した人々でごった返し、座るスペースはほとんどない。この子どもに駆け寄った医師は死亡していると告げた。周りの人たちが、子どもの顔についた泥を丁寧に拭き取っていた。
「まだ、遺体がたくさん残っている」。別の男性が叫ぶように言った。
(武田俊郎、丹野綾子)
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