11/03/22 00:19:31.10 fuLO1c9w0
法医学者の悩み事
死因の判定は、解剖をしていないので、断定などできなかった。
初期の間は、口から泡を吹いているものもあり、こうしたものは
ほぼ溺死と断定してもいいのだが、そうした遺体は1割程度。
あとは、鼻や口に泥混じりの液体や泡沫があるかないかで
大まかに判断するしかなかった。
結果的には、損傷の多さ、程度などを加味した上で、9割程度以上を
溺死と判断するしかなかったが、法医学をやっているものとしては
正確な死因でないことに若干の不安を覚えた。
とはいえ、このようなケースでは、津波や地震で亡くなったことがわかればいいと
自分に言い聞かせながらの作業ではあった。
屋外で発見の遺体には、ほとんどすべてに傷があるといってよかった。
多くは、服をつけていない顔に傷を負っていた。
手足の骨折、頭部や肋骨などの骨折のある遺体もあったが、
生前にできたのか、死後にできたのかは、解剖しない限り断定はできない。
見た目で、骨折部の周囲に皮下出血がありそうか、なさそうか、で大まかに
判断するしかなかった。
また遺体によっては、高所転落あるいは自動車による轢過損傷に近いような
重度の骨折を追っている者もあり、津波のエネルギーの激しさも伝わってきた。
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