11/02/24 21:49:57.86 s2nvts460● BE:501186375-PLT(20001) ポイント特典
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高校野球のリアルを描く
近年のスポーツマンガは、総じてリアル志向である。プレーそのものだけでなく、競技を取り巻く環境も含め、より現実的に描写した作品が多い。
そんななか、まさに身もフタもない高校野球のリアルを描こうとするのが本作だ。
いや、設定自体は、むしろ荒唐無稽と言っていい。甲子園初出場目前で敗れた県立高校野球部の新チーム主将が、
数十年来の同校野球部ファンという老人から、〈野球部のために使って欲しい〉と、突然1千万円の札束を託されるのだ。
無論、1千万で甲子園出場権が買えるわけではない。それをどう使い、どうやって甲子園に行くのかが物語の軸である。
一方で、甲子園の大会を〈興行なんや〉と言い切るネット裏の常連ファンが語る高校野球論は、とことん現実主義的だ。
そして、彼らの話を聞いて〈ファンから好かれるチーム〉を作るために〈伝統校としての演出〉を考え、
使えないと判断した監督に対して〈聞いてるフリをして気分良くさせておけばいい〉とする主人公のマキャベリストぶりがまたエグい。
『ドラゴン桜』で東大受験を描き、就活や起業もネタにしてきた作者だが、『クロカン』『甲子園へ行こう!』など、高校野球マンガは元来得意。
持てる武器をいかに効率的に使って難関を突破するかというテーマも共通している。
“理想のキャプテン”を演じながら、時にどす黒い顔を見せる主人公。ツッコミどころも多いが、本気の勝負に手に汗握る。
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