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〈まずは、あなたの「愛国度」チェック。7つ以上当てはまる人は、かなり日本が好きな人、「日本が欲しい」人です〉。
日本が欲しい人!? この少々耳慣れない言葉こそは、三浦展著『愛国消費』が景気回復の鍵と謳うキーワードだ。
曰く日本人が今最も欲しがっているのは〈日本文化と日本への誇り〉であり、その欲求が回り回って日本の未来を救うと、筋書きとしては確かに悪くない。
が、昨今は各企業が外国人社員を積極的に採用するなど、日本人の内向的体質を問題視する向きもあり、今後その内向性が一層加速すれば日本の首を絞めることにもなりかねない。
愛国的内需による景気浮上はどこまで可能で、どこからが〈日本志向〉の限界なのか。かねて時代の波頭を捕えるべく活動し、
ベストセラー『下流社会』の著者でもある三浦展氏に訊いた。
* * *
〈1 日本に生まれてよかったと思う〉で始まるチェックリストには、以下こんな項目が続く。
●神社やお寺に行くと和む
●食べ物は日本が一番おいしいと思う
●夏には浴衣を着て花火に行く
●日本のマンガ、映画、スポーツ選手が海外で評価されるのは誇らしい……。
それほど愛国的ともいえない設問も多い気がするが、そうしたソフトで政治的ではない愛国心を持つ人が、特に若い人に増えていると三浦氏はいう。
実際、 2008年のNHK調査では20~24歳の98%が「日本に生まれてよかった」と答え、1967年の内閣府調査・74%に比べて増加する一方。
何より地に足のついた生活を望む彼らは〈ガツガツ働いて、ガツガツ消費する〉前世代的な生き方を拒み、
人間にも地球にも優しい日本人本来の暮らしに立ち戻ろうとする〈脱ガツガツ〉世代なのだ。
「萌芽はいわゆる団塊ジュニア(1970年代生まれ)が20代を迎えた1990年代以降くらいにあって、
一つはサッカーW杯やWBCで“日本を応援する”機会が増えたことが大きい。当初は僕も若い人がニッポン、
ニッポンと叫ぶ光景には違和感があったんですが、どうやらこれはそう排他的な愛国心でもなさそうだと。
一方でマイボトル、エコバッグを普段使いし、ロハス系の雑誌を愛読する層も結構なボリュームになっていて、
今のコはセンスがいいなあと思うようになりました」