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プロ野球は今年もキャンプが始まる季節を迎える。ひいき球団の活躍を楽しみにしているファンも多いだろうが、
テレビ中継の視聴率は低迷が続いている。昨年は日本シリーズ「中日-ロッテ」(全7戦)
の第1、2、5戦が地上波で全国中継されない異例の事態にもなった。
プロ野球中継は今後どのように変わり、プロ野球が国民的スポーツとして愛され続けるには何が求められているのか。
上智大学の碓井広義教授と漫画家の黒鉄ヒロシ氏に見解を聞いた。
≪碓井広義氏≫
地デジ化が追い風に
--昨年、日本シリーズが一部、地上波で全国中継されなかった
「プロ野球中継は大きな転換期を迎えている。視聴率は低迷しており、昨年は視聴率が1桁台となる試合が相次ぎ、
5月18日『日本ハム×巨人戦』(テレビ朝日)4.1%、7月1日『広島×巨人戦』(TBS)3.4%、
6月1日『ロッテ×巨人戦』(テレビ東京)3.1%=数値はいずれもビデオリサーチ調べ、関東地区=だった。
広告収入を経営基盤とする民放各社からすれば、頭を抱える数字だろう。普通の番組なら即打ち切りでもおかしくない。
日本シリーズといえどもこれまでのようにゴールデンタイム(午後7~10時)で放送していいのか、
そんな疑念が働いたのではないか」
--視聴率低迷の背景は
「日本中が巨人戦に熱中した時代は終わった。
テレビが一家に1台だったころはチャンネルを決めるのはおやじの特権だったが、
今は子供たちは好きな番組を自分の部屋で見る。好きな球団も巨人一色ではない。
有力選手のメジャーリーグ移籍も進んだ。こうしたさまざまな要素が重なり合ってプロ野球中継の視聴率が下がり、
放送枠が削られ、夜7時から試合を観戦する視聴習慣も崩れていった。
“デフレ・スパイラル”(連鎖的な悪循環)が起きたという印象だ」
>>2-5へ続く
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