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名古屋に来たばかりなのに…シャチの「ナミ」死ぬ
名古屋港水族館(名古屋市港区)で飼育されていたシャチの「ナミ」(雌、推定28歳)が
14日に死んだ。同館によると、大腸炎とみられる症状が出ていた。昨年6月に和歌山県
太地町立くじらの博物館からやって来たばかりで、記者会見した名古屋港水族館の
祖一(そいち)誠館長は「名古屋に来てからこんなに早く死ぬとは思っていなく驚いている。
原因を究明したい」と話した。
同館によると、ナミは昨年末から食欲がなく、貧血が重くなっていた。薬剤の注射や水分補給で
一時持ち直したが、今月11日から再び餌を食べなくなった。14日昼過ぎに呼吸困難になり、
午後7時半ごろに死んだ。今後、大学や研究機関に組織検査を依頼し、詳しい死因を特定する。
祖一館長は「シャチは環境の変化に敏感なので気を使っていた。環境になじめたと考え、
昨年10月にメーンプールで公開トレーニングを始めた。こうした事態になるのは予想外だ」と話した。
同館は、繁殖を目指して鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)から今春、雄雌のシャチを
借り受けることが決まっている。祖一館長は「今回の件が影響しないことを期待したい」と話した。
名古屋港水族館では、2003年から雌のシャチ「クー」を5年間で2億5千万円の契約で
太地町から借りていたが、08年に推定18歳で病死。このため、同館の設置者である
名古屋港管理組合が「繁殖の学術研究」を理由に譲渡を打診し、ナミを5億円で譲り受けた。
費用は同館の黒字分を積み立てた振興基金から支払った。(田嶋慶彦)
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