11/01/14 02:31:09.44 viTOaeCT0
一丁前のプロになるには舌も大人に
成人の日の様子をみて、56年前に西鉄ライオンズの新成人の門出を祝ってくれた催しを思い出した。
地元福岡の料理教室の生徒さんたちによる毎年恒例の食事会に招かれ、手料理をいただいた。
ハンバーグにエビフライ……。いかにも覚えたてという作りではあったけれど、
しけた干物が続く寮の食事からすると大ごちそうだった。
何よりお嬢さんたちの気持ちがうれしく、型どおりの成人式では味わえないものがあった。
早く一丁前にならねば、との思いを強くするなかで、食生活の自立という課題があるのに気づいた。
寮の食事をただ考えなしに食っていては駄目だ、独立して自分で自分の食べ物を選ぼうと決めた。
幸い、ひいきにしてもらっている料亭があったので、そこに居候し、最高の食材を最高の腕で
さばいたものを朝から食べられることになった。
しかし、出されたものをただ腹に納めるだけでは、さして勉強にならなかっただろう。
いいレッスンになったのは料亭の大将たちと行く買い出しだった。
浜に近い市場には食堂もあり、魚をさっとしょうゆで煮ただけでこんなにうまい煮付けになるのかとか、
野菜の鮮度はこうして見分けるのかとか、発見があった。
「食育」という言い方はわざとらしくて好きではないが、何をどう食べるか判断できるようになることが、
大人になるための条件であるのは確かだろう。
(略)
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