10/12/23 05:15:33.98 2lJuTCYc0● BE:773655348-PLT(18000) ポイント特典
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この生物多様性年も終わりに近い頃、日本の淡水魚が1種増えました。それは、
最近新聞などでも報じられたクニマスのことです。クニマスは田沢湖にだけ生息し
ていましたが、昭和の10年代、田沢湖の水を発電に利用するとき、水量を多くする
ため、酸性の強い川の水を田沢湖に流入させたため、絶滅してしまいました。ところ
がこのクニマスの卵がそれ以前に山梨県の西湖に移植されており、そこで繁殖し
て、今日まで生き延びていたことが今年に入り確認されたのです。本当に奇跡の
魚(うお)と言ってもよいように思います。クニマスについては、私には12歳の時の思
い出があります。この年に、私は、大島正満博士の著書「少年科学物語」の中に、田
沢湖のクニマスは酸性の水の流入により、やがて絶滅するであろうということが書か
れてあるのを読みました。そしてそのことは私の心に深く残るものでした。それから
65年、クニマス生存の朗報に接したわけです。このクニマス発見に大きく貢献され、
近くクニマスについての論文を発表される京都大学中坊教授の業績に深く敬意を表
するとともに、この度のクニマス発見に東京海洋大学客員准教授さかなクンはじめ
多くの人々が関わり、協力したことをうれしく思います。クニマスの今後については、
これまで西湖漁業協同組合が西湖を管理して、クニマスが今日まで守られてきた
ことを考えると、現在の状況のままクニマスを見守り続けていくことが望ましいように
思われます。その一方、クニマスが今後絶滅することがないよう危険分散を図ること
はぜひ必要です。
天皇陛下:会見の全文(2)
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