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三島由紀夫没後40年 「果たし得ていない約束」が現代に問いかけるもの
□文芸評論家・富岡幸一郎
作家、三島由紀夫(1925~70年)が自決してから25日で40年。死の4カ月前に、
三島は現代の日本を暗示するような文章を本紙に掲載していた。このエッセー「果たし得ていない約束」は、
今の社会に何を問いかけているのか。三島論の著作のある文芸評論家、富岡幸一郎さん(52)が
意義を語る。
◇
三島の死から40年がたったが、日本の現状は彼が予見した通りになった。驚くほど状況は変わっていない。
そしてこのエッセーは、三島の文学と行動(実人生)の関連を考える上でも、きわめて重要だと思う。
「私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない」という予言的な部分ばかりに注目が集まりがちだが、
これは一つの告白でもある。『仮面の告白』でデビューした作家が、最後に仮面を脱いで告白しているのだ。
「私は何とか、私の肉体と精神を等価のものとすることによって、その実践によって、文学に対する近代主義的
妄信を根底から破壊してやろうと思って来た」。自分も近代の中に生きていながら、近代主義を
突き破ろうとする三島の姿勢が、この部分にはっきり現れている。三島が全存在をかけた言葉だ。
日本文学研究者のドナルド・キーン氏(88)の証言によれば、三島由紀夫は、昭和45年の8月には
すでに遺作「豊饒(ほうじょう)の海」最終巻「天人五衰」の結末部分の原稿を書き上げていたという。
このエッセーは、ほぼ同時期の執筆ということになる。
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