10/11/15 18:28:39.50 XoyMuJ/xP BE:1389802638-PLT(12074) ポイント特典
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埼玉県の荻野美和子さん(31)は、漢方でアトピー性皮膚炎を治そうとしたが、5年半たっても改善しなかった。家族の勧めで2006年10月、東京逓信病院を受診した。
皮膚科部長の江藤隆史(えとうたかふみ)医師が示した治療は、あれほど嫌ったステロイドの塗り薬を使う普通の方法。
「魔法の病院かもしれない」という期待は、すぐに裏切られた。「ステロイド治療は受けません」と言って帰宅した。
だが、迷った。
漢方を信じた5年半を無駄にしたくない一方、「このままでは良くならない」とも感じていた。
会社も休みがちで、両親の支えがなければ生活ができない。心も体も疲れきっていた。新しい治療を探す気力は残っていない。目の前の治療にすがるしかなかった。
覚悟を決め、東京逓信病院に連絡した。
炎症とかき壊しを繰り返した荻野さんの肌は、ゴワゴワに分厚くなり、体液もにじみ出る重症の状態だった。即、入院が決まった。
仕事を休み、10月17日から入院した。朝夕2回シャワーを浴び、上がると看護師が全身に薬を塗る。薬の塗り方や量は、高校生の頃とは全く違っていた。
まず保湿剤を塗り、炎症を抑えるステロイドを肌にたっぷりと乗せて広げた。
さらに、傷の治りを助ける軟膏(なんこう)(亜鉛華<か>軟膏)を塗った白い布を重ね、その上に包帯を巻いた。
顔には弱めのステロイドを塗った。さすがに恥ずかしくて病院の売店に行けなかった。
数日後、全身にあったひっかき傷が閉じ始めた。パンパンだった手足の腫れも引いた。かさぶたや痛んだ皮膚がはがれて、その下に普通の肌ができていた。
3日目ごろから、背中にはステロイド剤が不要になり、保湿だけになった。
顔は、ステロイドより副作用の少ないタクロリムス軟膏に変わった。このころにはシャワーから上がっても、肌がつっぱらなくなった。物を取るために腕を伸ばしても、肌がきしまない。
「みんなこんなに快適な生活をしているのか」としみじみと思った。
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いらい33