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尖閣衝突 巡視船2隻 修理費計1000万円超 対中請求、一転慎重に
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、船体に被害を受けた石垣海上保安部(沖縄県石垣市)所属の
巡視船「みずき」と同「よなくに」の修理費用が計1千万円超にのぼることが9日、政府関係者の話で分かった。
政府は当初、修理費用を中国側に求める方針を強めたが、事件のビデオ映像流出後は一転、
「関係省庁の協議で適切に対応する」と慎重な構えをみせており、先行きは不透明だ。
【写真】損傷した巡視船「みずき」の右舷後部
船の修理費用について仙谷由人官房長官は、9月末の時点では「(船は)相当傷つけられており、
原状回復について協議をしなければならない」と中国側へ修理費用を求める考えを強調。
しかし、9日の衆院予算委員会で中国側への請求について質問した高市早苗議員(自民)に対し
菅直人首相は「今後、関係省庁間の協議により適切に対応される」と答弁。
一方で仙谷氏は「漁船の持ち主か船長に請求することになる」としており、足並みの乱れが目立つ。
2隻の損害額算定は修理後に第三者機関が数週間の調査を経て行う。
政府関係者は「ドック使用料や船体の修繕などで2隻の修理費用が1千万円を超えるのはほぼ間違いない」との見方を示している。
流出映像では、中国漁船が故意に「よなくに」の船尾と「みずき」の右舷に衝突している。
海上保安庁によると、「みずき」は右舷の白色塗料がはげ、船体を覆う外板部分が縦約1メートル横約3メートルにわたり陥没した。
海保は10月に約2週間、沖縄県内の造船所で緊急修理を実施。現在は通常業務に戻っている。
造船所は「(修理内容は)守秘義務で答えられない」としている。
「よなくに」は、ヘリコプター甲板の手すりの支柱が折れるなどの被害を受けた。11月中旬に鹿児島県内の造船所で
約1カ月間の定期修理を受ける予定だったため緊急修理は行わず、この修理期間中に被害個所を直すという。
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