10/11/01 03:16:25.97 5Sjf4vXD0 BE:847962195-PLT(12001) ポイント特典
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余録:漱石といじめ
英国に留学した夏目漱石は「吾輩は日本に居つても交際は嫌いだ。
まして西洋へ来て無弁舌なる英語でもつて窮窟な交際をやるのは
尤(もっと)も厭(きら)ひだ」と書いた(「倫敦消息」)。病友・正岡子規の
無聊(ぶりょう)を慰める一文というから誇張も韜晦(とうかい)もあろうが、
たぶん本音だろう
文豪の言葉をJRの駅で思い出した。切符売り場の前を通ると中南米系と
見える男女が「上野までいくらですか」と聞く。美術館めぐりらしい。
運賃を教え、まさに無弁舌(たどたどしい)な英語で「上野は美術館が多いから
楽しめますよ」と付け加えた
すると次は黒人の女性が「渋谷までいくらですか」。ああ渋谷ですねと運賃表を見て
気が付いた。路線図と漢字の駅名だけでローマ字表記がない。外国人たちは判じものを
見るように戸惑い、たまたま英字紙を手に歩いていた当方に質問してきたのだろう
彼らも「窮窟」なのだ。駅にはローマ字で読める切符売り場もある。券売機には英語の
音声案内機能もあるが、それさえ知らぬ外国人も多かろう。駅側が不親切ともいえないが、
日本は外国人にやさしい国だろうかと改めて考えた
自殺した群馬県の小学生は、母親が外国出身であることが一因でいじめを受けたという。
大学でのいじめを示唆する遺書を残して在日インド人男性が自殺していたことも、
この夏明るみに出た。外国人に対する冷たい目の壁を感じる
留学中の漱石は帰りたいと思う半面、日本のいやな面を考えて「たのもしくない
情けない様な心持」になったという。外国からは日本の長所短所がよく見える。
いじめの深刻さは海外から見ずとも明々白々だが。
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