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映画：幻の名作「樺太 １９４５年夏 氷雪の門」主演、二木てるみさんに聞く ／大阪
◇突然の公開中止、幻の名作－－第七芸術劇場で上映始まる
第七芸術劇場（大阪市淀川区）で上映が始まった「樺太 １９４５年夏 氷雪の門」（村山三男監督）は幻の名作と呼ばれる。
１９７４年３月２９日に全国上映されるはずだった作品。製作費は５億円を超える。
戦闘シーンには陸上自衛隊が全面協力した、当時としては空前の大作。その配給が突然取りやめになった。
公開中止の理由は、主演の二木てるみさんにも知らされなかった。【若狭毅】
二木さんだけではなく、岡田可愛、木内みどりといった、今はベテランとして活躍する女優たちの初々しい姿がスクリーンに映し出される。
彼女たちが演じたのは１９４５年８月２０日、樺太で自死した電話交換手の女性たち。
二木 なぜ上映されなくなったか。詳しいことは聞いていないんです。「事情により」としか。
共演者はみんな事務所が違いますから、個々に知らせがあったんじゃないかな。
今回の配給を担当する「太秦」（東京）は上映中止の理由を「当時の新聞資料によると、ソ連大使館の抗議により公開を自粛した」。
しかし詳細は分からない。当時、北海道や九州の一部で劇場公開されたものの、多くの人の目に触れないまま幻のフィルムとなった。
■あらすじ■
◇終戦後にソ連軍が侵攻、取り残された９人の乙女たちは
１９４５年夏。樺太西海岸・真岡町。太平洋戦争はすでに終末を迎えようとし、戦禍を浴びない樺太は、緊張の中にも平和な日々が続いている。
しかし、ソ連が日本への進軍を開始。真岡郵便局で働く電話交換手の娘たちは、
ソ連軍の侵攻と、急を告げる人々の緊迫した会話を胸の張り裂ける思いで聞いていた。
８月１５日終戦後、ソ連軍が樺太に攻め入る。８月２０日、真岡町の沿岸にソ連艦隊が現われ艦砲射撃を開始。
町は戦場と化した。逃げまどう人々。鳴りやまない電話。
彼女らは最後まで職場を離れようとしなかった。取り残された９人の乙女たち。
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