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これからの「正義」の話をしよう―いまを生き延びるための哲学
2010年10月03日00時00分 / 提供:本が好き!
以前、国語の文学の授業の中で、3つの価値について考えたことがあった。
① 正誤
② 善悪
③ 美醜
「正誤」については明らかな基準がある。「善悪」ではその基準をどこに置くかによって価値が別れる。
そして「美醜」に至っては善悪を度外視した価値が存在する。その授業は人間の中に棲む美しい行為にふれる作品鑑賞であった。
ハーバードの講堂で繰り広げられる「正義」の論争はこの複雑な世界の困難な事例を取り上げる。
論拠を示しそれぞれの正義を語りながら、ではどちらが正義なのかと言う答えは出ない。
解を導くのはこの本を手にし、正義の追求に参加した一人ひとりの責任なのだ。
もちろん教授がどの考えに近いのかはわかる。しかし正義という価値は一人のものではなく、
個々が所属する社会の中で交渉し生み出した結論としてあるのだと言うこともまた教えてくれる。
一つ一つの相反する現代の問題に於ける価値のぶつかり合いを哲学の流れの中で
紐解いて書かれた説明は難解な理論を身近なものに置き換えたことで以前より親しみのあるものとして理解することができたように思う。
ギリシャの哲学者のアリストテレスの理論が今の世界を説明するにも有益であることを知ると同時に哲学と言う学問の深さに驚くばかりである。
私たちは知識として哲学者の名前を覚え、著書を暗記し、疑いもなく歴史の流れを学んできた。
しかし学ぶと言うことは生きている世界の今起きている矛盾に疑問を持ち、
議論を闘わせながらより良い価値を模索することなのだ。そのよりどころとして哲学があることを改めて気づかせてくれたのではないかと思う。
よりよく生きると言うことはよりよい善、より美しい生き方を求めることである。
他者に無関心である社会はそうした生き方は望めない。誰もが幸せになれる社会に近づけるように私もこれからの正義について話し続けたいと思う。
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