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>339のつづきですが
K-channelの働きが重要な意味をもつのは、もちろん、他にもいくつかの臓器があります。
腎臓では、細胞イオン濃度勾配の維持以外に、イオン排出・尿濃縮機能に関わっていますし、
膵臓では、内分泌機能に関わっています。
とまあ、いろんなことを想定しながら、考えていかないといけないのですが、ここから先は、
ちょっと雲を掴むような話になってきますので、とりあえず割愛させていただきます。
カリウム・チャネルの元素認識のデジタルな違いの創出という面白さに関して、いまいちしっくりと
来ない、という方は、2003年に、ノーベル賞を受賞したMacKinnonのレクチャーをご覧になられることをお勧めします。
自然界が、長い進化の過程で、かくも完璧なまでの、イオンの認識の差をデジタルに生み出してきたのだ、ということ
が分かり、目から鱗が落ちると思います。
MacKinnonが取り扱っているテーマは、同じくアルカリイオン元素のNaとKの違いですが、同族元素で、化学的性質が
きわめて似ており、化学反応上も、ほぼ完璧に置換可能な2つのイオンというのが、生命体に於いては、完璧に
デジタルな区別をされているわけで、そのメカニズムを知れば知るほど、自然界のタンパク分子の設計の妙を思い知らされます。
CsとKも同族元素ですが、結局、細胞内挙動がデジタルに異なる、という意味では、同じ話ですね。