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中国の米がマジでヤバい、深刻なカドミウム汚染 2011年2月16日
色は白く、透明感があり、どれも粒ぞろい。見た目は普通の米と変わらない。だがその米がカドミウムに汚染された米だとしたら……。
中国でも米は主要な主食の一つだが、いくつかの地域の米から基準を大幅に超えるカドミウムが検出された。カドミウムは人体に有害な重金属であり、日本の四大公害病のひとつ「イタイイタイ病」の原因である。
摂取すると体内に蓄積され、腎機能障害と骨軟化症を起こし、体を少し動かしただけで激痛が走るようになる。
広西省の思的村（してきむら）に住む李さん（84才）は、パッと見健康そのものだ。しかしこの20年余り、まともに走れたことがない。100メートルも走らないうちに足に激しい痛みを感じるのだ。医師に何度かかっても原因はわからない。
村の米を食べ始めて28年。李さんは自分の病気と米に何か関係あるのではないかと疑い始めた。
李さん在住の思的村は以前から「怪病」が流行っていると言われていた。「骨のない子が生まれる」と噂されたり、国の役人が米の徴収に来た際も「この村の米には毒がある」と発言したりしたこともあったそうだ。
李さんの他にも「イタイイタイ病」の初期症状と思しき症状を患っている高齢者が十数人いるらしい。
この村の汚染の原因は上流にある鉛工場ではないかと言われている。工業廃水を農業用水路に垂れ流しにしていたそうだ。だが、工場は持ち主が変わり既に稼動しておらず、米の汚染と鉛工場の相関性を証明するのは非常に難しいという。
また、村の幹部は村民が「イタイイタイ病」にかかっている可能性があることを認めようとはしない。専門家はなぜ公的な調査を行わないのかと嘆いている。
カドミウム汚染の疑いが濃厚なのは思的村だけではない。中国の10パーセントの米にカドミウムに汚染されているという調査報告がある。総生産量の10パーセントと言うと約2000万トンが汚染されているということになる。
世界の最大の米消費国家にとっては疑うべくもなく非常に深刻な数字である。
中国の急速な工業化はカドミウム、ヒ素、水銀など人体に有害な重金属を自然界に放出してきた。これらの化合物は水や空気に乗り、中国の土壌を汚染、食物を汚染し、人体に入っていく。ゆっくりと時間をかけて環境と人体を蝕んでいくのだ。
一度汚染された土壌は自然の力だけで元に戻ることはない。
一番の問題は、中国には重金属による土壌汚染地域への作付けに関する規制がないことだ。現在、中国では汚染米の流通に関する罰則はあるが、作付けは野放し状態である。土壌汚染地域は非汚染地域と同様に作付けされているのである。
例えその土地が汚染されていることを知っていたとしても、経済的な理由から農家も汚染米を作り、それを食さなければならず、また、生活のため流通させているという状況だ。
都市部の大型スーパーでは、汚染米の閉め出しが始まっているが、国が抜本的な対策を採らない限り、都市で閉め出された汚染米は郊外の中小規模スーパーに流れていくだけだ。
また、非汚染米に混ぜて出荷されるケースもあり、そうなるとその流通は誰にも止められない。
カドミウム以外にも、水俣病の原因である有機水銀汚染も深刻。摂取ルートは、中国では魚ではなく米だ。「食物汚染」は「農薬問題」に取って代わって新たな脅威となっている。
日本は多くの農産物を中国から輸入している。対岸の火事という訳にはいかない。一日でも早く、根本的な対策が採られることを切に願う。
参照元：網易新聞（中国語）URLﾘﾝｸ(discover.news.163.com)