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菅首相献金問題 疑惑にフタの延命は許されぬ(7月31日付・読売社説)
自らの政治とカネの問題について、菅首相が誠実に対応しているとは言い難い。
国会の場で、事実関係をきちんと説明しなければ、疑念は深まるばかりである。
菅首相の資金管理団体「草志会」を巡る問題は二つある。
一つは、大震災当日の3月11日に発覚した、在日韓国人からの献金だ。
草志会は2006年と09年に計104万円を受けていた。
献金問題で辞任した前原誠司・前外相と似たケースである。
首相に献金したのは、在日韓国人系金融機関の元理事だ。
首相は献金の受領を認め、「外国籍とは承知していなかった」と釈明したが、
野党側は納得していない。
元理事は、首相と数回会食し、一緒に釣りをした間柄だからだ。
政治資金規正法は、日本の政治が外国から干渉されないよう、外国人からの献金を禁じている。
民主党は永住外国人への地方選挙権付与に前向きだ。
そうだからこそ、在日韓国人からの献金には特段の注意が必要だった。
首相は、発覚後に返金したと明言した。
だが、自民党が領収書の国会提出を求めたのに対し、頑(かたく)なに拒否しているのは不可解だ。
早期提出に応じるべきだろう。
二つめの問題は、草志会が07~09年に、
政治団体「政権交代をめざす市民の会」に計6250万円を献金していたことである。
首相は献金理由を「連携、支援のため」と言うだけだ。
なぜ、これほど巨額の献金の必要があったのか、合理的な説明がない。
この間、民主党は、草志会に約1億5000万円もの献金をしていた。
党本部から「市民の会」などへ直接献金するのを避けるための
“迂回(うかい)献金”だった可能性も取りざたされている。
そうだとすれば、カネの流れの透明性を高めるという政治資金規正法の趣旨に反する。
当時、党代表代行だった首相には、献金の実態を明らかにする責任がある。
「市民の会」は、今春の統一地方選で、
北朝鮮による日本人拉致事件の容疑者の長男を擁立した政治団体「市民の党」
と関係が深いことも明らかになっている。
首相は「そうした団体と連携したことは大変申し訳ない」と陳謝したが、
首相の拉致問題への取り組み姿勢自体が問われよう。
首相はこれまで、カネが絡んだ「古い政治からの脱却」を訴えてきた。
二つの献金問題について国民が納得できる説明が必要だ。
疑惑にフタをしたまま延命することは許されない。
(2011年7月31日01時23分 読売新聞)
菅直人を支持している連中はオウムの臭いがする。