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ここは、地球上で最も放射能に汚染された土地。fukushima。
Deathロードを、後にイイダテダムのせしうむ男と呼ばれることになる青年と共
に南下して行ったFUCK死魔土人は、想像を絶する惨状を目の当たりにし、しば
し呆然となった。
ここには、ミュータントなどは存在しなかった。
ただ5万とも10万エクサべクレルとも言われる高濃度放射能汚染によって、
細胞の生命力を奪われてしまった哀れな人間の群れだった。
大震災後に起こった、東電人と言われた電気崇拝カルト集団の総本山『F1』の
謎の大爆発によって、首都圏は壊滅し、放射能を恐れうろたえた時の施政者たち
は、最も放射能汚染地帯から遠い沖縄県に臨時政府を置いていた。即ち、箱根よ
り先は見捨てられた土地。絶望が支配する土地となっていた。
しかし、わずかに生き残った人々が、ホットスポットを避けながらコミュニティ
を形成し、残りわずかな寿命と知りながらも、与えられた生命を全うすべく助け
合っていた。
助ける者も、助けられる者も全てが被爆者だった。
勇気ある民間ボランティアと、自衛軍警察消防混合の志願決死隊の運び込んだ
食料品、援助物質のみがわずかに生き残った人々と、片道切符の志願決死隊を生
きながらえさせていた。
そうした名も無いコミュニティの一つを通り過ぎるFUCK死魔土人と青年を、
無言で見つめていた一人の少女が突然走りより、FUCK死魔土人に話し掛けた。
「なんで誰も助けに来てくれないの?ここから逃げられないの?」
FUCK死魔土人には、臨時政府のfukushima完全隔離政策を、誰一人として生きて
出られないことを告げる事は出来なかった。今FUCK死魔土人に出来る事は、
もはや髪の毛ひとすじも無い彼女の頭にいとおしく手を添える事だけだった。
必ず、fukushimaを復活させる。彼女と志願決死隊のためにも。
思いを心に刻み込んだFUCK死魔土人と青年は、足早にコミュニティを後にした。