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計画的避難区域、牛も集団避難へ 農水省、全国に打診
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農林水産省は19日、政府が近く指定する予定の「計画的避難区域」内で飼育されている牛を区域外に移す方針を固めた。
福島県が同区域内の牛を移したいとの意向を示しているため、県と協力して近く移送を始める考えだ。
農水省によると、計画的避難区域の対象になる予定の福島県葛尾村、浪江町、飯舘村などには約2万頭の
肉用牛や乳用牛がいるとみられる。福島県内ではこれらの牛をすべて受け入れきれないとみて、
全国の都道府県に受け入れられるかどうかを打診し始めた。
これまでに、栃木県が日光市と塩谷町にある計3カ所の県営牧場で、肉牛と子牛最大150頭を引き取る意向を示している。
移動は、近く政府が指定する計画的避難区域と、福島第一原発から半径20~30キロ圏内にある緊急時避難準備区域で
飼われている牛が対象となる。緊急時避難準備区域では牛の世話を続けられる可能性があるため、まずは計画的避難区域を優先する。
移動させる牛は、放射線量を測定する全頭検査をする。一定の基準値を設け、それを下回った牛だけを移送する方針だ。
基準値を上回った場合は、牛の体に付着した放射性物質を洗い落とすなどしてから再検査し、基準値を下回れば、移送対象に含める。
牛の移動は、計画的避難区域などが指定されてから住民の移動が完了するまでの間に終わらせる。
移動させてまで飼うのが難しい場合などで生産者が希望すれば、殺処分も検討する。
放射線量の検査結果や移動の状況などは1頭ずつ台帳で管理する。
移動の受け入れ先には、牛の健康状態などの履歴を記録しておくよう要請するという。(大津智義)
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