11/05/29 12:53:55.08
「あ、起きた?ご飯できてるよー」
ゆりの声で目が覚めた。そうだ俺は、昨日ライブが終わってゆりの家に直行したのだった。
雨が降ると、病み上がりの拳はまだギシギシと痛む。それと同時に、1万人のオーディエンスの歓声がふと蘇ってきた。昨日のライブ、夢じゃなかったんだよな……。
「味噌汁冷めちゃうよー。もー、ゆきやったら。いっつも起きてすぐiPhoneいじってるんだから。何見てるの?」
「いや、なんでもない。ちょっと天気が気になってね」
避難所は今日も平和だ。
俺はiPhoneをベッドに放り投げ、ゆりの待つ台所へと向かった。