11/08/29 01:21:59.94 GCHRriWx
多忙を極める彼女だったが、
なぜだか、お互いに会う時間が
増えていった。
彼女は、いつも突然目の前に現れる。
友人の通夜に行った夜だった。
俺はひとり近所の馴染みの店で
酒を飲んでいた。
狭くて古びていて、若者なんて寄り付きもしないような、小さい吞み屋だが、
近所のおばちゃんやおっちゃん連中がフラっと吞みに来るような、とても気楽で居心地のいい場所だった。
東京公演を終えた
彼女からメールが届く。
「今から会いに行ってやる!
どこにいる?」と。
タクシーに飛び乗って来た彼女は、
すっぴんで眼鏡。
ジーパン姿で、髪も乾いてない感じだった。
彼女は、店のすべてのものが興味津々らしく、キョロキョロと見渡している。
早速、ママから、
彼女さん?お若いわね~と
からかわれ、韓国の子だと知るや否や、
隣でそば耳を立てていた常連おばちゃん連中には、KARAちゃんみたいね~っと。。
テヨンをチラッと見たら、
ホッケの匂いを一心不乱に
クンクン嗅いでる。。
キムチの話題で、皆ひとしきり盛り上がり、
テヨンの無邪気であまりにも豪快な笑いが、
おばちゃん連中にひどく気に入られたようで、あっという間に仲良くなってしまった。
しまいには、プチカラオケ大会になってしまい、テヨンもジョッキ片手にKARAを歌わせられる羽目に。
ライブ後の疲れなど、まるでないような
テヨンのはしゃぎっぷり。
店を出て、
真っ暗なアーケードの商店街をテヨンをおぶって歩く。背中に小さな寝息が聞こえてくる。
スヨンから来ていた着信メールに、返事を出す。