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4月から全国の中学校で使用される歴史教科書のうち唯一、慰安婦に関する記述を採用した「学び舎」(東京)の教科書が、筑波大付属駒場中や灘中など最難関校と呼ばれる学校を含め、少なくとも30以上の国立、私立中で採択されていたことが18日、分かった。
国立と私立中では採択権が教育委員会ではなく学校長にあり、関係法令に基づき採択理由を公表する努力義務もあるが、取材した学校の大半が採択理由を非公表とした。
同社の歴史教科書は平成16年度検定以降、中学校教科書で各社が一切採用しなかった慰安婦に言及し河野談話も取り上げた。当初、申請した教科書では強制連行を強くにじませながら大きく取り上げたが、不合格とされた後、再申請の際に大幅に修正した。
南京事件では中国人の証言を採用するなど手厚く記述する一方、北朝鮮による日本人拉致事件では各社が特集などで記述を盛り込む中、年表で「北朝鮮から拉致事件被害者の一部が帰国する」とだけ記述している。
文部科学省によると、同社の歴史教科書の採択数は全国で約5700冊(占有率0・5%)。
業界では「参入組にとって障壁が特に高い教科書業界では異例の部数」(教科書関係者)と受け止められ、「執筆者らの人的ネットワークで採択が広がった」(業界関係者)との見方もある。
採択したのは少なくとも国立5校、私立30校以上。国立は筑波大付属駒場中のほか、東京学芸大付属世田谷中▽同国際中等教育学校▽東大付属中等教育学校▽奈良教育大付属中。私立では灘中、麻布中など。
採択理由について、奈良教育大付属中の担当者は、「物語風に書かれ、内容も詳しい。慰安婦の記述などで話題になったが、検定を通っており、許容される内容だと考える」としている。
一方、義務教育の教科書を配布するための教科書無償措置法では、採択理由を公表する努力義務が市町村教委や都道府県教委と同様に国立中や私立中の校長にもあるが、奈良教育大付属中以外は「取材を受けない」などと回答。
私立では灘中が「検定を通っている教科書であり、理由を公表する必要はないと考えている」。麻布中は「回答を控える」とした上で「慰安婦の記述で選んだということは全くない」とした。
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