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現場を取材した本誌カメラマンが言う。
「15時から開始の予定でしたが、それよりだいぶ前に乙武氏は街宣車の上から話を始めました。
すると、スピーカーつきのマイクを持った人たちが、小池知事の学齢詐称疑惑や選挙協力する公明党との関係を大きな声でヤジり始めました。
『小池百合子はダメだと思います』『小池さんは経歴詐称をしている』『外国人に1500万円以上出している小池さんですよ』といった内容です」
当日に公開されたYouTubeの演説動画を確認すると、乙武氏の話が聞きづらくなるほどの音量でヤジが飛び交っている。途中、司会者が「演説を妨害される方には退場していただく場合があります」と通告する場面もあった。
乙武氏はヤジに特段反応することもなく、話を進めていた。その後、玉木氏、大久保氏の応援演説が終わり、再び乙武氏が話し始めてしばらく経ったとき、問題発言が飛び出した。
いつまでもやまないヤジに対し、乙武氏は「僕はこういう対決はしたくない。もちろん批判は大事。でも、批判のやり方ってものがあると思うし、対話が必要と思うし」と返す。
そして、声のトーンを上げ、「いまは私たちがこの場をお借りして、集まってくださったみなさんにメッセージを届けている時間帯なんです。(拍手が起こる)そこはご理解していただきたい」と嘆願。それでも止まらないヤジに対し、乙武氏はこう力説した。
「私は先ほどもお伝えしたとおり、政治にチャレンジすることをすごく迷いました。勇気もいりました。決断をしたのは、やはり政治の力を必要としている人がいる。そう思っているからです。みなさんは政治をあきらめてしまっていますか。もう、政治にはうんざりですか。
(ヤジを続ける人の方向を右手で示しながら)こういう人がいるから、もう政治には関わりたくない。そう思いますか。気持ちはわかる。だけど、私はあきらめたくない。やっぱり政治の力を必要としている人が多くいるからです」
この「こういう人」発言が、いまSNSで集中砲火を浴びている。Xをみれば、
《乙武さん、言っちゃいけないことを言っちまったな。。》
《良いも悪いも国民の声。政治家を目指すのなら感情ではなく論理で国民に語ってください》
《野次られて感情的になるのあかんと思うよ》
などの批判が寄せられている。
「過去にも似たような展開がありました。2017年7月1日、東京・JR秋葉原駅前に都議選の応援演説に来た当時の安倍晋三首相が、『安倍やめろ』と連呼する集団に向かって『こんな人たちに負けるわけにはいかない』と訴えたのです。
この発言には、安倍首相に対して『こんな人たちも国民だ』という批判が起き、そのときの映像は何度も何度もSNSに投稿され拡散しました。Xでは、このことに触れるポストも散見されます」(政治担当記者)
《安倍晋三と同じことやっちゃいましたね》
《乙武の正体見たり安倍晋三》
《乙武やっちゃったよ、安倍三の二の舞いを小池どうする》
現場では、乙武氏の焦りが見えた一方、「学歴詐称」のヤジを飛ばされた小池都知事は「対応に余裕があるように見えた」(前出・本誌カメラマン)という。やはり、小池知事は選挙慣れしているのだろう。
はたして、乙武氏の「こういう人」発言は今後の選挙戦にどのような影響を与えるのか。16日の告示から、12日間にわたる選挙戦がスタートする。
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