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いよいよ2024年前半に世界的な株安と円高がやってきそうだ
つい先日、日頃から情報交換しているアメリカのヘッジファンドからメールをもらった。短期的な運用者全般について、どんな雰囲気なのかを教えてもらったのだが、そのメールには、まずひとこと「totally in confusion」(完全に当惑の中にある)と書かれていた。
■短期スタンスの投資家が大混乱するワケ
足元、アメリカの株式や債券の価格は極めて堅調だ。そのため「買い持ちしている向きは儲かっていて、少しも当惑などしていない」などと思ってしまう。
もちろん、売り持ちして損失を被っている投資家は大変なのだが、買いによって大いに利益が上がっている投資家も、「あまりにも相場の勢いが強すぎる。このまま上昇基調を保つのか、それとも一気に反動が生じるのか、見極められない」と先行きの不透明さを案じているようだ。
株式や債券以外はどうか。例えば国際商品市場では、原油の国際指標であるWTI原油先物価格が1バレル=70ドルをたびたび割り込むなど変調が見られる。
とりわけ急激に動いたのは外国為替相場で、ドル円相場は11月半ばの1ドル=151円台から、先週は一時141円割れも生じた。円高の進行は、円キャリートレード(低金利の円で借りて、高金利の他通貨で運用する)において、外貨で測った要返済額の膨張を招き、損切りのポジション巻き戻しが膨らむ(それがまた円高を推し進める)ことが懸念される。
またユーロドル相場も、先々週の8日あたりまではユーロ圏経済の低迷観測からユーロが弱含んでいた。だが14日のECB(欧州中央銀行)理事会後のクリスティーヌ・ラガルド総裁の発言が、思ったよりインフレに対峙する姿勢が強いタカ派的なものだったとして、ユーロがドルに対して巻き返すなど、不安定な状況となっている。
このように、世界市場の波乱によって、短期投資家が右往左往する展開となっている。このため、運用者が市場の材料というよりは足元の損益の都合で「(空売りの)投げ買い」「投げ売り」を激しく繰り返すおそれがある。それらの影響で、目先の世界市場の振れは上にも下にも大きなものとなるだろうし、本来は買い材料なのに市況が下落したり、またその逆の状況が訪れることも頻繁に発生するだろう。
ただ、より大きな流れをつかむには、実態面に着目することが肝要だ。2024年の世界市場の最大の材料としては「遅れてやってきたアメリカ経済の悪化」が挙げられる。
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