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四方を海に囲まれた日本では古来、クジラがさまざまに利用されてきた。クジラが庶民の食べ物として広く普及したのは江戸時代中期以降。敗戦後の食糧難の時代には貴重なタンパク源として人々の健康を支え、学校給食のメニューにもたびたび登場。1人当たりの食肉供給量を見ると、昭和40年代前半までクジラは牛や鶏を上回っていた。
しかし、国際捕鯨委員会(IWC)が57年に「商業捕鯨の一時停止」を採択したことで、日本も63年から商業捕鯨を停止。市場に出回るクジラ肉は、クジラの生態や資源の量などを把握するための「調査捕鯨」で捕獲したものだけとなり、農林水産省によると30年代に年間約20万トンあった生産量は数千トンに激減した。
日本は約30年にわたって資源が回復している種類を対象に商業捕鯨の再開をIWCに訴えてきた。しかし、反捕鯨国が多いIWCでは再開の展望が開けないことから令和元年にIWCを脱退。商業捕鯨を再開した。以降、クジラの消費・生産量の拡大が期待されたが、3年度の生産量(概算値)は2千トンと、再開前と同レベルにとどまる。
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