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飲食・小売り業界のサービスの質の高さは、長年、日本の大きな強みであり、かつ弱みでもあった。
競争が過熱した結果、清潔さや時間の正確さ、効率、商品やサービスに関する知識、細部への気配りなどに対し、日本の顧客の期待値は世界で類を見ないほど高くなっている。
それゆえ、その基準に達しない企業や店には、失敗の烙印が押されてきた。
マクドナルドのようなグローバル企業は、通常、世界中で一定のユーザー体験を再現しようとするものだ。
だが、こうした企業ですら、日本ではサービスの水準を上げてきた。
だが昨今、日本のサービスの質は落ちている。
その原因は、慢性的な労働力不足にある。
少子高齢化による人口減少と移民受け入れに対する消極的な姿勢は、経済全体に波及している。
共同通信の取材に対し、日本の大企業114社のうち49%が人手不足だと答えている。
また、東京商工リサーチによれば、2023年上半期に人手不足が直接の原因で倒産した企業の件数は、前年同期の2.3倍に上る。
労働力不足の問題はいたるところで見られ、なかには不安をかき立てるような状況に陥っている分野もある。
日本の国土の大半は山間部であるにもかかわらず、今後、橋やトンネルの専門家が全国的に大幅に不足すると日本土木学会は懸念を示している。
だがいまのところ、こうした変化に対する日本の消費者向けサービスの対応は「手の込んだ茶番劇」の様相を呈している。
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