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“社会的弱者”に「がんばれ!」と言ってしまう
本作の敵役となる非理谷充(ひりやみつる)は、徹底的に“社会的弱者”として描かれる。
ティッシュ配りのバイト中にサラリーマンたちにバカにされ、
推しのアイドルは結婚して裏切られたと思い込み、さらには暴行犯に間違われて警察に追われる身となり、
そして超能力を手にして悪の道へと走ってしまう。
問題となるのは、ひろしの最後の激励の言葉だ。
「誰かを幸せにすれば、自分も幸せになれるんだ。がんばれ!」
言葉そのものは真っ当かもしれないが、非理谷は幼少期にネグレクトにあい、
両親は離婚して、学校ではいじめられ、今は30歳になり非正規のバイトで食いつないでいる。
そんな彼には、「がんばれ!」という精神論的な励ましではなく、公的な支援が必要だろう。
劇中で非理谷はテレビで名前を全国で放送されて指名手配され、幼稚園の立てこもり事件を起こしてしまう。
これから刑務所に入るというときに、今更「がんばれ!」という言葉をぶつけるのは違和感しかなかった
(しかも、当の非理谷は記憶を無くしている)。
そもそも「クレヨンしんちゃん」という作品において、
過剰に恐怖を覚える幼稚園の立てこもり事件を起こしたこと自体がやりすぎに思えた。
劇中で非理谷にそれをさせることなく、
最終的に就職先を紹介するなどして、真っとうな解決法を示すことだってできたはずだ。
さらには、その「がんばれ!」と言うのが、妻と子ども2人、庭付きの一戸建てを手にした、正社員で係長の野原ひろしなのだ。
1990年代ではまだ平凡なサラリーマンとして見られたかもしれないひろしは、
現代社会では理想的な家族を超えて、“勝ち組”そのものにも見えるため、さらに欺瞞めいたものを感じてしまう。
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