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市立病院 独法化阻止へ
三重・名張 地域労連結成 運動広げる
コロナ禍のもと三重県名張市で突如もちあがった市立病院の民営化計画。みえ労連の伊賀名張地域の労働組合が公的医療など「地域の公共」を守ろうと地域労連「伊賀名張労連」を結成し、昨年、地域住民と力を合わせて指定管理者制度導入をはね返しました。現在も市が狙う独立法人化を阻止しようと運動を広げています
地域の個人加盟組合「伊賀名張ユニオン」が公共サービスの問題にぶつかったのは2020年。名張市立病院に併設された介護老人保健施設の廃止計画がもちあがり、介護士たちが「仕事がなくなる」と相談を寄せました。
伊賀名張ユニオンは雇用を守れと訴え、職員は市立病院に異動できることになりましたが、介護士の資格を生かして働けないため、多くの職員が退職を余儀なくされました。公共サービスを後退させる政策を変える必要があると痛感させられた一件でした。
21年7月には、市議会から市長に、市立病院の経営を民間に委託する指定管理者制度などで予算を抑制するよう求める提言が提出され、民営化の動きが出てきました。病床削減を狙う厚労省の「地域医療構想」が背景にありました。
伊賀名張ユニオンや地域の職場に点在していた労働組合と個人が集まって11月、地域の課題にも取り組み、労働者の雇用と生活を守ろうと、伊賀名張労連を結成しました。
同時に地域住民や年金者組合・新日本婦人の会などのさまざまな団体と一緒に「名張市立病院を守りよくする会」をつくり、22年1~2月、市民アンケートを実施。民営化よりも医療充実を求める声が58%、コロナ患者の受け入れは市立病院だからこそできたとの声が54%にのぼりました。
「市立病院を守れ」の声が広がり、22年4月の市議選では、「よくする会」と力を合わせる日本共産党が1議席から2議席へ前進。同時実施の市長選では、民営化推進の候補が落選し、指定管理者導入にストップをかけました。
住民と手をつないで地域の公共取り戻す
伊賀名張労連を結成し、名張市立病院を守る運動の中心になっている個人加盟組合「伊賀名張ユニオン」が誕生したのは2018年。まだ若い組合です。
同地域は、大阪と名古屋の中間に位置し、両経済圏から進出した工場が多く、解雇、雇い止めの労働相談も寄せられていました。地域労連が存在しないため、みえ労連は県庁所在地の津市から自動車で1時間以上かけて対応していました。
みえ労連は、大阪に本社のある工場で、労働組合活動経験のある労働者などに声をかけ、地域のなかで相談に応じられる伊賀名張ユニオンをつくりました。
16人の組合員でスタートした小さな組合ですが、大手工作機械メーカーで、無期転換逃れの雇い止め撤回を実現して、門前宣伝や団体交渉を継続し話し合う関係を築くなど、徐々に組合員を増やし、現在30人を超えています。
名張市は現在、市立病院の経営を効率優先にする手法として、地方行政独立法人化を狙っています。伊賀名張労連と「よくする会」は独法化阻止の運動を広げています。
「よくする会」に参加する新日本婦人の会の内橋晃子名張支部長は、「市立病院は救急を受け入れる病院がなかった名張市で、市民運動によってやっとできた病院であり、公立として市民の命を守り安心を確保することは重要」と話します。
地域公共サービスの問題にも取り組むことについて伊賀名張ユニオンの臼井照男委員長は、「地域の医療体制は、労働者にも切実な課題です。全労連が呼びかける『地域の公共を取り戻す』運動とも呼応し、市立病院を守り、労働者が安心して働ける環境をつくりたい」と強調。住民と手をつなぎ、地域の信頼を高めています。