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「ごんぎつね」が伝えるもの=小学校教諭・匂坂裕一郎・39(大分県)
4年国語科で新美南吉の「ごんぎつね」を学習した。いたずらばかりしていたきつねのごんが、
村人・兵十の母の死をきっかけにつぐないを続け、最後に兵十に銃で撃たれてしまう悲しい結末で物語は閉じる。
独りぼっちという同じ境遇にありながら、最後まで心を通わせることができなかったごんと兵十の姿に、
考えさせられるところが多々あった。
きつねと人間という物語の設定ではあるが、生まれや育ち、言語や文化が違う者同士が互いに認め合い、仲良く生きていけないのだろうか。
子供たちの多くは、ロシアとウクライナの関係を思い浮かべたようだ。
また、人間社会に近づくほど危険な目にあっている動物たちをイメージした子供もいた。
害獣として殺されていくイノシシやシカ、クマなどである。「ごんぎつね」から人間の孤独や疎外といった、
今の社会にも顕著に表れている問題が見えて来る。優れた文学作品だ。
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