10/07/16 21:49:45
手に汗握る阪神―巨人 首位攻防第１ラウンド
●当事者の原監督も興奮
雨の甲子園が揺れた。阪神ファンも、巨人ファンもない。藤川球が小笠原を
空振り三振に打ち取ると、左翼スタンドからも地鳴りのような歓声が起こった。
１３日夜の阪神―巨人戦。４―４の同点で迎えた九回だった。０．５ゲーム差に肉薄して
迎えた天王山。是が非でも初戦を取りたい阪神の真弓監督はここで、守護神の藤川を
マウンドに送る。その藤川が死球と左前打で無死一、二塁とされ、さらに自らの
ワイルドピッチで二、三塁にピンチを広げた。評論家の堀本律雄氏がこう言う。
「ここからの藤川が見事だった。１番の坂本を一邪飛、２番の松本を三振に取って２死。
迎えた小笠原にオール直球勝負を挑む。走者を三塁に背負い、フォークボールは投げにくい。
直前にフォークを暴投しているからなおさらだ。ある意味、強打の小笠原相手にイチか
バチかの直球勝負を挑まなくてはいけない状況だったが、ここで藤川がテクニックを見せた。
結果から言えば、すべて１５０キロ超の真っすぐ５球で空振り三振に切って取った。
変化球を使えない分、直球の高低を投げ分けて勝負した。５球のうち３球がベルトより
高めのゾーン。小笠原は低めのボールに強い。そのコースはボールにし、小笠原の視線を
上下させた。ただのイチかバチかの直球勝負ではなく、久々に見応えある勝負でしたね」
試合そのものも、中身が濃かった。三回に巨人が２点を先制すれば、阪神は四回に
それまで１安打に抑えられていた巨人先発の東野から５連打で４得点。一気に試合を
ひっくり返すと、負けじと巨人も七回に２点を奪って同点とする。追いつ追われつの大熱戦は
延長戦に突入。首位の巨人と２位の阪神が互いに目の色を変えてぶつかり合った。
「四回の阪神の４得点は右翼の長野がクッションボールの処理を誤ったもので、巨人が同点に
追いついた七回の２得点には一塁のブラゼルの失策が絡んだ。しかし、それも吹き飛ぶ激闘
といっていい。延長十二回に長野が３ランを放ち、これで勝負ありと思ったら、その裏に鳥谷が
クルーンからバックスクリーンに２点本塁打を放って食い下がる。首位攻防の天王山に
ふさわしい勝負でした」（前出の堀本氏）
結局、試合は巨人が７―６で勝利。４時間２０分の激闘の末、阪神とのゲーム差を１．５に
広げたが、「長い試合？ 時間そのものを超越した、緊張感のあるいいゲームでしたね」と
当事者の原監督ですら客観的に振り返るほどの試合は、両軍ファンも勝敗を超えて
満足したはずである。
(>>2以降へ)
日刊ゲンダイ 2010年7月14日掲載
URLﾘﾝｸ(news.livedoor.com)
2:キャッチャーミットφ ★
10/07/16 21:50:27
(>>1より)
●「テレビ関係者の感覚を疑う」
が、しかし、である。この激闘を、民放テレビ局は完全無視。阪神人気の根強い関西では
地上波中継されたものの、在京キー局は、この日はおろか今回の首位攻防３連戦を
１試合も地上波中継しない。
甲子園に行けないファンは、有料のＢＳかＣＳ放送で見るしかないというのだから、
おかしな話ではないか。
確かに、今年も巨人戦の視聴率は低空飛行が続いている。関東地区の４月の
平均視聴率は過去最低の９．７％（ビデオリサーチ調べ）。今月１日の広島戦に至っては
何と３．４％と壊滅的で、テレビ局関係者は「巨人戦は数字が取れない。カネにならない」
と口を揃えて、ナイター中継は縮小の一途である。
作家でプロ野球ファンの麻生千晶氏がこう憤慨する。
「テレビ局はこの伝統の一戦を放送しないで何を放送するというのでしょう。九回の
藤川球児投手のピッチングなんて、しびれましたよ。こんな素晴らしい試合が地上波で
見られないなんて、テレビ関係者の感覚を疑います。視聴率、視聴率といいますが、
仮に放送しても、試合の最初と最後を切って時間内で終了させてしまうのでは、
本当の野球ファンが離れてしまうのは当然。野球ファンのナイター離れは自業自得
ともいえる。にもかかわらず、視聴率が取れないという理由で今は中継すらしない。
さらにファンが離れる悪循環です。テレビ局はかつて、野球という優良ソフトに
おんぶに抱っこだった時代がありました。テレビ局が広告主の方を向いている限り、
野球界はどんどんファンを失うことになりますよ」
散々、野球で儲けておきながら、視聴率至上主義に走って野球を見捨てる。
テレビ局の身勝手な都合で最もワリを食うのは、言うまでもなくファンだ。
このまま野球人気が下降し続けるとしたら、それはテレビ局にも大きな責任がある。
(終)
3:名前をあたえないでください
10/07/16 21:51:03 pOe8eiay
視聴率第一主義がそもそもの弊害だと知れ