10/06/15 19:33:56
菅直人氏が首相になって民主党支持率はV字回復した。鳩山政権の稚拙さには愛想が尽きたが、政権交代そのものにはまだ期待している
というのが大方の民意だろう。
これにあわてて自民党は菅民主党を批判するのに躍起である。中でも笑ったのは「左翼政権」という批判である。「左翼」の意味を記者から
問われ、谷垣自民党総裁は「雰囲気が左翼だ」と答えたという記事(※注1)があった。路線闘争、理念論争の空白は、政治家の知的水準
を下げるものだと嘆きたくなった。
「保守」は「左翼」の反対概念であった。「左翼とは何か」をきちんと定義できないということは、自民党の言う「保守とは何か」も今の総裁には
わかっていないということである。
沖縄問題に表れたように、民主党は反米ではない。また、経済成長戦略の策定に躍起である。民主党の政策で多少左翼っぽいものと
いえば、子ども手当などの社会政策の拡大である。左翼とは、強者の自由を多少制約しても、政府の力で平等を実現するという考え方である。
貧困と不平等が蔓延する今の日本には、ある程度左翼的政策が必要とされている。保守政治家が大勢いる民主党は、現実的判断として
左翼的政策を採用した。
民主党に対してカビの生えたレッテルをはって攻撃するというのは、自民党の知的貧困の現れである。理念論争は自民党にも必要である。
ソース(東京新聞 6/13付 27面 こちら特報部 「本音のコラム」 北海道大教授・山口二郎氏)
※注1
URLリンク(mainichi.jp)
> 谷垣禎一総裁も7日、出張先の高松市で「左翼的な色彩の政権」と懸念を表明したが、8日の記者会見で「何が左翼的なのか」と問われ
>「漠然たる印象だ」と釈明。