10/06/15 05:39:49
生活保護を受ける70歳以上の人を対象にした老齢加算が廃止されたことをめぐる裁判で、福岡高等裁判所は14日、原告逆転勝訴
の判決を言い渡しました。老齢加算の廃止を違法とする初めての判断が示され、各地で争われている同じような裁判に影響を与えると
みられます。
この裁判は、生活保護を受ける北九州市のお年寄り39人が、上乗せして支給されていた老齢加算が4年前に廃止されたのは不当だと
訴えたものです。福岡高等裁判所は、14日の判決で「7年前に厚生労働省の専門委員会が、老齢加算を廃止する方向で見直すべき
とした中間取りまとめを発表した際、受給者の生活水準が急に低下しないよう配慮することが強調されたのに、厚生労働省は、そうした対策
を十分に検討しないまま、わずか4日後に廃止を決めた」と指摘しました。そのうえで「社会常識に照らして著しく妥当性を欠いた」として老齢
加算の廃止は生活保護法に違反するという初めての判断を示し、1審とは逆に支給を続けるべきだとする判決を言い渡しました。
老齢加算の廃止をめぐっては、全国8か所であわせておよそ100人が同じような裁判を起こしています。これまで1審の地方裁判所で
原告敗訴の判決が続き、最初の2審となった東京高裁も先月、老齢加算の廃止を容認する判決を言い渡しましたが、福岡高裁の判決に
よって2審レベルでの判断が分かれることになりました。今後、判決を迎える各地の裁判の審理に影響を与えるとみられ、生活保護のあり方
をめぐる議論が活発になることも予想されます。
ソース(NHKニュース) URLリンク(www3.nhk.or.jp)