10/06/11 22:07:04
ほ乳類の宇宙での妊娠、出産の可能性を探るため、マウスの精子を宇宙へ運び、地球帰還後に受精して
放射線や重力の影響を調べる実験を、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)など
の研究チームが計画している。2012年度ごろの実現を目指し、成功すれば、宇宙空間に置かれた生殖
細胞からほ乳類が誕生する世界初のケースとなる。(金井恒幸)
宇宙環境がほ乳類の繁殖や発生に与える影響を調べた実験は少ない。1979年に旧ソ連がロケットで
ラットの雌雄を打ち上げ、うち数匹が妊娠したが出産には至らなかった。同センターの若山照彦チーム
リーダー(43)らは昨年8月、重力がほとんどない空間を人工的につくり、その中でマウスを体外受精
させる実験に取り組み、受精卵が分裂を始めた「初期胚」の発育が通常に比べて劣り、出産率が半分に減る
結果を発表した。
さらに実際の宇宙空間で試すため、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」に精子を運ぶ実験を
計画。精子はフリーズドライ(真空凍結乾燥)加工した上で、放射線が通りにくい素材で覆ったものと、
そうでないものに分けて長期間保存し、比較することなどを検討している。今年3月には、宇宙航空研究
開発機構が日本の無人補給機「HTV」やロシアのソユーズ宇宙船で輸送する実験候補(計19テーマ)
に選ばれた。担当者は「アイデアが斬新で、多くの設備を必要としない。実現性は非常に高い」とする。
若山リーダーは「精子の実験が成功すれば、宇宙での生きたマウスの交配も実現させたい」と話す。
ソース:URLリンク(www.kobe-np.co.jp)
画像:フリーズドライ加工したマウスの精子(容器の底の部分)
URLリンク(www.kobe-np.co.jp)